ジェイムズ・チェイター、BBCニュース
東京都は20日、猛暑対策として今夏の4カ月間、都民の水道基本料金を無償化すると発表した。 関連予算は368億円と見込まれ、6月から始まる都議会に補正予算案を提出する。
小池百合子東京都知事は記者会見で、「物価高騰に加えて、この夏の猛暑が予想される中、水道の基本料金を無償にすることで、1世帯あたり4カ月間で5000円程度の軽減となる。都民の皆さんが安心して暮らせるような、環境を整えていきたい」と述べた。
東京都保健医療局によると、昨年の夏、東京では熱中症による死者が過去最多の263人に達した。犠牲者の多くはエアコンを持ないか、高額な費用を理由に使用を控えていたという。
複数報道によると、小池知事は「暮らしへの不安から、エアコンの『利用控え』が起こるのではないか」と懸念を示し、「家計には電気代も水道代もかかるなか、都にできることは何かを考えた」と話した。
東京都は水道基本料金を無償にすることで、都民にエアコンなど他の冷房手段の利用を奨励することを目指している。
東京都の熱中症対策ポータルによると、東京都で昨年、熱中症で死亡した人の約6割が、エアコンがあっても使用していなかったという。
東京の水道基本料金は一般家庭の場合、給水管の太さに応じて、平均して月額860円から1460円となっている。水道の使用量によって加算される「従量料金」は、通常の料金で請求される。
政府統計によると、東京の世帯数は700万世帯以上、人口は1400万人以上。
日本は昨年、記録上最も暑い夏を記録した。気象庁によると、昨年の6月、7月、8月の気温は1991年から2020年の平均より1.76度高かった。
昨年6月から9月の間に東京では約8000人が熱中症で病院に搬送され、これも過去最多。死者の大半は高齢者だった。
(英語記事 Tokyo to waive water fees this summer to combat extreme heat)
(c) BBC News