藤井聡太王位(竜王・名人・王座・棋聖・棋王・王将=22)への挑戦権を競う、将棋の伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦挑戦者決定戦、永瀬拓矢九段(32)対佐々木勇気八段(30)戦が22日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。対局は角換わりから穏やかな流れを選んだ先手の永瀬が勝ち、王位戦初挑戦への切符を獲得した。藤井王位との7番勝負第1局は7月5、6日、愛知県小牧市「合掌レストラン大蔵」で開幕する。
一方、昨年の竜王戦でタイトル戦に初めて登場した佐々木の王位戦初挑戦はならなかった。激しい展開になりがちの角換わりで永瀬が穏やかな手順を選んだのが、勝負の分岐点となった。「用意がない状態で、研究不足でした」と残念そうだった。
王位戦は予選を経て、6人総当たりの挑戦者決定リーグを行う。リーグは紅白に分かれており、双方の成績最上位者が挑戦者決定戦を行う。
佐々木は今期、予選から登場して野月浩貴八段、黒沢怜生六段、佐藤天彦九段、広瀬章人九段に勝って突破。リーグ紅組では八代弥七段にこそ敗れたが、渡辺明九段に不戦勝、丸山忠久九段、佐々木大地七段、大橋貴洸七段を下し、4勝1敗で勝ち上がった。「強い方たちと対戦できた。充実したリーグでした」と振り返っていた。