JR津田沼駅南口の再開発事業について、千葉県習志野市は22日、施行予定者の野村不動産から事業を一時中断するとの連絡を受けたと発表した。中断が長期化する可能性があるため、同社は今年3月に閉館した商業施設「モリシア津田沼」について、部分的な再開を検討している。
市は、同社が21日付で提出した文書を公表した。同社は「建築費の動向を含めた社会情勢が見通せない」として、再開発事業の認可に向けた手続きを延期すると説明。老朽化する旧モリシア津田沼の建物・設備の状態を点検し、一部営業再開の可否を今年度中に判断する。
一方、「事業を取りやめる意思はない」と明記し、事業の見通しが立てば、あらためて市や権利者の同意を得て手続きを進めるという。
同社は今年1月、再開発を当初予定の2031年に間に合わせるのは困難と市に申し入れ、スケジュール見直しなどを協議していた。宮本泰介市長は「非常に残念で困惑している。商業施設再開の具体策を早期に示すことを強く求めた。市民への影響が最小限になるよう協議に臨む」とコメントした。【石塚孝志】