「欠点は俺に惚れないことだ」出会った当時は16歳…美輪明宏が語る、三島由紀夫が自決の1週間前に持ってきた“100本のバラ”に隠された意味とは


【画像】美しすぎる…三島由紀夫から100本のバラを受け取った、若き美輪明宏の写真を見る

 ここでは、様々な角度から三島やその作品を見つめた 『21世紀のための三島由紀夫入門』 (新潮社)より一部を抜粋。生前の三島を知る、美輪明宏さんの語りを紹介する。

 亡くなる1週間前に渡された、100本の薔薇の意味とは――。(全3回の1回目/ 続きを読む )

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欠点は「俺に惚れないことだ」

 年齢は私が三島さんの10歳下で、私は、三島さんにとっては、自分の人生で出会ったことのないものを発見した、そんな感じだったのでしょう。ちまたでは、恋愛関係にあったのではないかとも言われましたが、そのような関係ではありません。三島さんによると、私には95パーセントの長所と5パーセントの短所があり、その5パーセントが95パーセントを吹き飛ばしてしまうほどの欠点なのだそうです。

「そんなすばらしい欠点って、いったいなんでしょう?」とお尋ねしてみたら、「俺に惚れないことだ」とおっしゃった。「ごめんなさいね。私、立派な方はどんなにいい男でも恋愛対象にはならないんです。三島さんはお生まれといい、才能といい、欠点がなさすぎます。私はかわいそうな人が好きなんです」と言うと、「君は誤解をしているぞ。君と別れて、雨の日に傘をさしてひとり帰る俺の後ろ姿を見てみろ。ふるいつきたくなるぐらいかわいそうだぞ」とおっしゃるから、大笑いしました。ふたりでいるとそんな冗談ばかり言っていました。



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