米高騰の中、「時給10円」を訴える米農家、1000万円以上の所得の事業者も。収益の差はどこに #生活危機


青山をトラクターで行進「令和の百姓一揆」

トラクターには「未来の子どもたちにも国産の食を味わってもらうために」「すべての農民に所得補償を」といったのぼりが掲げられていた。デモ行進「令和の百姓一揆」だ。

埼玉、千葉、茨城、福島、新潟など、各地からやってきた農家や賛同した人など、3000人以上が列をなして歩き、道行く人々に訴えかけた。新潟県・佐渡から来た60代の米農家は「危機感を持ったたくさんの人たちと一緒に歩けてよかった」と晴れやかな表情で語った。

主催者である「令和の百姓一揆実行委員会」の発表によると、この日は、東京の他、沖縄、山口、富山、奈良など、全国10カ所以上で同様のデモや集会が行われたという。

「ここから始まる。これが終わりじゃない」

「米農家は時給10円。農家をやめろ、農地から出ていけと言われているようなものです」

「時給10円」とは、農林水産省が発表した農業経営統計調査がもとになっている。2022年の米農家(水田作経営)の年間平均農業所得は1万円。これを労働時間1003時間で割ると時給が約10円となる。この数字はインパクトが大きく、国会の質疑でも取り上げられた。

一方、昨夏から主食用米の小売価格は跳ね上がり、現在は前年の2倍以上になっている。この高騰の中、米の生産者の収益はどうなっているのだろうか。



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