ファミマはなぜパンを「白く」したのか? 累計500万食の「白生」シリーズが挑む主役の座


【画像】ファミマの「白生パン」ってなに? もちもち×クリームの“映え断面”、焼かないのにふっくら! ちょっと気になる真っ白なパンを見る(11枚)

 ファミマのパンカテゴリーは、2024年に過去10年で最高の売り上げを記録した。特に、2023年に発売された「生コッペパン」を皮切りに展開する「生」パンシリーズは、2年間で累計2億6000万個を販売する人気商品に成長。その成功体験をもとに生まれたのが、「白生パン」シリーズだ。

 3月25日に「白生コッペパン(つぶつぶいちご&ホワイトチョコ)」「白生クロワッサン(ダブル生チョコ)」「白生フランスパン(北海道産ダブル練乳ミルク)」(各168円)の3種類を発売。

さらに「白生クリームパン(ダブルカスタード)」(158円)、「白生ドーナツ(チョコホイップ)」(145円)、「白生コッペパン(トリプルチーズ)」(158円)も加わり、ラインアップが広がった。

 同シリーズの特徴は、焼いても白い見た目と、しっとりもちもちした食感だ。「生コッペパンから派生する形で発売したところ、白いパン生地への需要を感じた」と、商品本部スイーツ部副部長の鈴木崇義氏は振り返る。

 特定のターゲットを設定せずに発売するため、定番のコッペパンやクロワッサンを展開したところ、狙い通りに幅広い層からの支持を得た。さらに「パンが白い」というインパクトにより、これまで男性客が中心だった同社のパンカテゴリーの購買層において、若年層や女性客の割合が増えるという変化も見られた。

購入者の「体験価値」の向上が狙い

 通常、パンは焼く過程でタンパク質と糖がメイラード反応を起こして焼き色が付き、さらに糖が単体でカラメル化反応して色が付く。焼き色がきれいに付くのがいいパンとされているが、あえて色を付けずに焼き上げる工程で試行錯誤を繰り返し、開発には約6カ月を要した。

 「白生パン」を実現した背景には、2つの工夫がある。1つは、低温でじっくり焼く製法を採用したこと。通常より低い温度でやや長めに焼き上げることで、焼き色を抑えつつ、パンの膨らみを確保した。

 もう1つは、色が付きづらい糖に一部置き換えたことだ。しかし、この糖はイースト(パン作りに使われる酵母)の栄養源にならないため、発酵に必要な通常の糖とのバランスが重要だった。繊細な配合調整によって、白さと独特の食感を両立させることに成功した。



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