立憲民主党など主要野党は25日、首相主催の「桜を見る会」の招待者名簿が共産党の資料請求日に破棄されていたことに関連し、内閣府が所有する大型シュレッダーの視察を試みた。桜を見る会追及本部の黒岩宇洋事務局長(立民)ら国会議員8人が乗り込んだが、職員からアポイントがなかったことなどを理由に断られ、結局、目的を果たすことはできなかった。(千田恒弥)
汗ばむ陽気の中「寒い、中に入れて!」
「寒いので中に入れてください!」
野党統一会派に所属する無所属の山井和則衆院議員は、内閣府の入り口で防護壁のように立ち尽くす職員を前にこう詰め寄った。
この日は11月下旬とは思えないほど暖かく、同行した記者も軽く汗ばむ陽気だった。しかし、山井氏は「寒い」「寒い」と何度も訴え、「国会議員なので(約束がなくても)庁舎の中に入る権利はあるはずだ。外で待たせるのは失礼だ」などと主張した。
内閣府の職員は入庁拒否の理由の一つとして「大勢のマスコミも一緒に来たのでビックリした」と困惑気味に語った。これに対し、立民の池田真紀衆院議員が「ビックリ100倍返し、したいんだけど」と、ハイテンションで言い返す場面もあった。
議員8人のみ、庁舎に入ったが…
入り口での押し問答は15分ほど続いたが、マスコミを同行させないことを条件に国会議員8人は庁舎内に入ることを認められた。8人は小部屋に通され、職員と交渉を続けたが、「官房長の許可が得られない」などとして、“本丸”の大型シュレッダーまで攻め入ることはかなわなかった。
黒岩氏は内閣府訪問後、国会内で記者団に「前代未聞の門前払いを食らわせて守るシュレッダーなのか」と怒りをあらわにし、26日の再チャレンジを宣言した。
政府は共産党が資料請求した5月9日に名簿を大型シュレッダーで破棄。その理由について、内閣府は連休前に破棄する予定だったものの、シュレッダーを利用できたのが最も早くてその日だったなどと説明している。このシュレッダーは内閣府の地下1階に1台設置されており、使用には事前予約が不可欠だという。