『ガンダム』の「丸い棺桶」こと「ボール」はMS? MA? 調べてわかった意外な事実


そもそもなぜ「MS扱い」できるのか?

【画像】こちらがシリーズ屈指のジャイアント・キリングを見せてくれた「ボール」です

 そもそも「ボール」は、連邦軍がMS開発でジオン軍に遅れをとっていたなかで開発されたものです。その遅れがあったためか、連邦軍のMS開発は当初、「ガンダム」や「ガンキャノン」などに見られる2足歩行タイプと、「ガンタンク」に見られるバーニアや無限軌道(いわゆるキャタピラー)で移動するタイプの、ふたつの「流れ」が同時に進行していたといいます。

 ボールはもちろん後者の産物で、これをジオンの流儀でいえば「簡易MA」といったところでしょう。しかし上述のような開発経緯から、連邦軍ではMSに分類されているのです(講談社「機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション3 連邦軍編」による)。これがMSともMAともいわれる理由になります。

 ところが、そのいずれでもなく「モビルポッド」と表現する資料もありました。ガンプラの取扱説明書に掲載された解説などにも見られ、たとえば2006年8月9日発売の「MG 1/100 ボール(シャークマウス仕様)」(BANDAI SPIRITS)の取扱説明書には「量産型中距離支援モビルポッド」とあり、「宇宙用のワンマンポッド」との記述も見られます。2010年発売の「HGUC 1/144 ボール ツインセット」(BANDAI SPIRITS)には「MIDDLE-RANGE SUPPORT MOBILE-POD」「戦闘ポッド」とあり、また「簡易型MS(モビルスーツ)」という記述も確認できました。

 なお「ポッド」という表現は、「脱出ポッド」などと使われるように、あくまで簡易的なものというイメージでしょうか。ともあれ「アーマー」や「スーツ」に比べ、あまり頑丈なものではなさそうです。

 以上のように「ボール」に対する表現として、公式の資料などでは、「モビルスーツ」「モビルアーマー」「モビルポッド」いずれも見られます。あとはジオン風に言うか、連邦の開発現場風に言うか、それとも……といったところではないでしょうか。

マグミクス編集部



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