北陸新幹線敦賀(福井県)―新大阪間の延伸を巡り、京都商工会議所の堀場厚会頭(堀場製作所会長兼グループCEO)は27日の定例会見で、福井県小浜市や京都市を通る現行ルートを支持するとした上で、経済的メリットから舞鶴につなぐ必要性を提案した。
新大阪間延伸を巡っては、沿線となる府内で地下水への影響などの懸念が噴出し、一部では東海道新幹線米原(滋賀県)につなぐ「米原ルート」の検討を求める声が上がるなど、混乱が続いている。
堀場会頭はこうした経緯を踏まえ、「(北陸新幹線は)京都につながないと絶対にだめ。経済的な損失が大きい」と現行計画への支持を明言。その上で「個人的な見解」として、小浜から直接京都に南下するのではなく、舞鶴へ延伸するルート案に言及した。
堀場会頭は「舞鶴には自衛隊や海上保安庁の組織があり、安全保障上、大事な場所。また大陸とつながり、造船所もある。経済的なメリットが大きく、京都が分担して費用を持つことも納得できる」と述べた。
さらに延伸を巡る一連の議論に対し、「何だか京都全体が(延伸に)反対しているように思われている」と不満を示し、論理的な説明をもって課題を解決していく重要性を強調した。(園田和洋)