【前後編の後編/前編からの続き】
「芸能人は歯が命」でも政治家には身嗜みがまず求められる。だが、石破茂首相(68)にはなにかとその装いに注文がつき、見かねた支援者らがついにオーダースーツを贈る運びとなった。一方、日米首脳会談の切り札たるこの特注品には、ある疑念も指摘されていて……。
【写真を見る】いつになくサマになってる…石破首相の「超高級オーダースーツ」姿 “ヨレヨレ”と心配された普段の着こなしと比較すると
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前編【「石破さんのスーツがあまりにもヨレヨレで…」 見かねた支援者が超高級スーツを贈呈 製作したのは「田中角栄のスーツを仕立てた職人」】では、石破首相のスーツがだらしなく見える理由と、支援者たちが超高級スーツを贈呈するに至った経緯を、実際に製作を担当した職人への取材を交えて紹介した。
日本時間の2月7日午前、米・ワシントン郊外のアンドリュース空軍基地で政府専用機のタラップを降りる石破首相は、黒のカシミアのコートの下に出来立てほやほやの、このシックなスーツを身にまとっていた。いつになくサマになっていたのは、スーツを贈った「ふるさと創生ニッポンおかみさん会」の女将(おかみ)さんたちやスーツを仕立てた浅利十男(じゅうお)氏(78)の尽力のおかげだった。
「疲れた老人のように映った」
ちなみに、浅利氏はかつて銀座英國屋の工房に勤務。首相経験者のスーツの縫製も担当し、現在は高級オーダーメイド紳士服専門店「FUKUYA ASARI」代表取締役を務める人物だ。
しかし、ブランディング戦略家で政策秘書の経験も持つ、鈴鹿久美子氏はこの時のある立ち居振る舞いについて、こう指摘する。
「スーツを着ている場合は、立ち上がる時はボタンを閉め、座る時は開けるのがマナーです。でも、石破首相はトランプ大統領と座って向き合った際に、ボタンを閉めていました。また、座って話をする場面では椅子に深く腰をかけ過ぎていたため、とても疲れた老人のように映りました。座ったまま大統領と握手をする際に腕が伸び切ってしまったのもいただけません」
外見だけではなく、身のこなしも重要だとの指摘だが、首相自身は特注スーツをお気に召したようで、海外の要人と会う際などに度々、着用しているという。