最近、外国人によるひき逃げや高速道路上での逆走など、悪質な交通事故が増加しています。その背景には「外免切替」という制度が影響しているのではないかと指摘されています。この制度にはいくつかの問題点が浮き彫りになっており、警察庁も制度改正に動き出しました。外免切替とはどんな制度で、どこに問題があるのでしょうか。
外国人が日本で運転する3つの方法
外国人ドライバーによる悪質な交通事故が増えています。2025年5月、埼玉県三郷市で小学生4人が負傷したひき逃げ事件で、中国籍の男性2人が逮捕されています。さらに同月に新名神高速道路で、乗用車で逆走し、2台の車両と衝突した事件も発生し、ペルー国籍の男性が逮捕されています。いずれの事件でも、逮捕された容疑者らは外免切替(外国運転免許証による運転免許の切り替え)を利用し、日本の運転免許証を取得していたことがわかっています。
そもそも、外国人が日本で運転する(日本の運転免許証を取得する)ためには、主に3つの方法があります。まず、ジュネーブ条約に基づく国際免許証を取得する方法です。対象となる国は、アイスランド、イギリス、イタリア、スペイン、バチカン、アメリカなど100カ国に限られるため、条約に加盟していない国の出身者は別の方法を探らなければなりません。
2つ目の方法は、外国で取得した運転免許証に日本語翻訳(領事機関などで発行)を付ける方法です。対象となる国はスイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、台湾のみで、この6カ国以外の出身者は、やはり別の方法を検討する必要があります。
3つ目の方法は、日本国内で教習所などに通い試験を受けて免許を取得する、または、外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替える方法です。しかし、日本の教習所に通うのは時間も費用もかかるため日本に永住(または長期滞在)する人以外は、外国の免許証を日本の免許証に切り替える「外免切替」を選択することが多いようです。
中国、ベトナム、ペルーなどは、ジュネーブ条約にも加盟しておらず、運転免許証に日本語翻訳を付けることも難しい。そうなると外免切替を選ぶことになるわけです。
そもそも日本の外免切替によって、運転免許証を国際免許証に切り替えられれば、ジュネーブ条約に加盟している約100カ国で運転できるとあって、非常にコスパが良く、中国人やベトナム人の申請が殺到しているのですが、この外免切替がいま問題になっています。