江藤前農水相は「主婦の皆さま」の買い急ぎと過去に批判も…“異色の農家”が論破するコメ高騰の知られざる理由「猛暑で小粒化」「倒れた稲が雨に浸かる」


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 農水省の調査に戻ると、昨年5月6日から12日にかけての週は、コメ5キロが2108円で販売されていた。それが今年は4285円となったわけだから、2倍を超える高騰ということになる。

 なぜ、コメがこんなに高くなってしまったのか。『親子で山さんぽ』(交通新聞社)の著者、木村和也氏は米どころとして知られる新潟県の出身だ。

 東京農工大学の博士課程を中退すると、登山専門誌「山と溪谷」や、アウトドアや旅をテーマにした書籍で知られる出版社、山と溪谷社に入社した。

 2010年にアウトドア企業の起業に携わり、生まれ育った新潟県南魚沼市にUターン。実家のコメ農家を継ぎ、フリーペーパー「山歩みち」の編集長も務めているという異色の“兼業農家”だ。

 コメの生産現場を知り抜いている木村氏にコメ高騰の原因を質問すると、「今、コメ農家の“生産性”は非常に早い速度で、どんどん落ち込んでいます。これは新潟県だけの問題ではなく、全国で起きていることなのです」と言う。

猛暑や倒伏で収量が減少

 秋の稲刈りも気候変動の影響を受けている。この数年は刈取時期の雨、つまり秋雨が長期化する傾向にあるのだ。

「多くの農家はJAに納品する場合が多いのですが、その買い取り単価が安いので、コメ農家は収量を増やすことで収益を上げようとします。その一つに夏に散布する肥料(穂肥)を増やす方法があります。これには猛暑対策の意味もあるのですが、穂肥が多いほど草丈が伸び、同時に穂長も伸びるので、確かにコメの粒は増え、収量は上がります。一方で、草丈が伸びることで稲自体を支える茎は細くなり、茎の上部にあるコメ粒が多くなるわけですから、まさに格言の『実るほど頭を垂れる稲穂かな』と同じ状態になります。つまり細い茎では重い穂先を支えきれず、少しの風や雨の影響でも、稲穂は倒れてしまうのです。これを『倒伏』と呼びます」(同・木村氏)



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