「たすけて下さい この男の人わるい人」…未解決事件の「長岡京ワラビ採り主婦殺し」 ポケットに残された「ダイイングメッセージ」の謎


【写真】「たすけて下さい この男の人わるい人」…遺体から見つかった“ダイイングメッセージ”の現物

 主婦2名を殺め、姿をくらました「この男」とは一体、何者なのか。被害者が残した“ダイイングメッセージ”の指すものとは。

 捜査線上には複数の不審者が浮かび、一人は似顔絵まで作られたものの、いずれも逮捕に至らず。1994年に時効を迎えている。「週刊新潮」は当時、現場を取材し、事件の詳細を報じている。以下、当時の記事を再録し、事件の謎に迫ってみよう。

(「週刊新潮」1979年6月14日号記事を一部編集しました。文中の年齢、役職等は当時のものです)

【前後編の前編】

 ***

目につきにくい獣道

 野山の麓に、河陽ヶ丘という新興住宅地があり、現在、そのすぐ上、野山の裾を切り開くかたちで、さらに新しい宅地の造成が行われている。その造成地を巻くように舗装道路が走って、この道は、そのまま野山の奥へ伸びて行く。

 5月23日の午前11時過ぎ、この造成地のガードマンが青いナップザックを背負って山へ登って行く、A子さんとB子さんを目撃した。さらに、山のトバクチのタケノコ栽培の竹林で作業をしていた地元の夫婦が、この2人の主婦を見た。

 舗装道路を麓から1キロ半ほど登ると、右手に野山の頂上に向かう山道が現れる。野山に登る道は5本あり、2人がどのコースをとって山へ入って行ったか、正確にはわからない。が、この山道を登って行くと、500メートルほどで、視界がサッと開けた場所に出る。ここには、別の方向から、もう一本の山道が入って来ている。そして、その少し上に、人目にはつきにくい問題の獣道が口を開いている。そこから20〜30メートル、木の枝を押しのけ、ツタを払いながら入って行った雑木林のどん詰まりが犯行現場である。



Source link