【報ステ】在任16年での“後悔”とは…ドイツ・メルケル元首相が語る“混迷の世界”


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■原点は東ドイツ“自由”への眼差し

激動するポスト・メルケル時代を横目に書き上げた回顧録。タイトルに選んだ言葉は『自由』でした。

ドイツ メルケル元首相
(Q.表題を『自由』にした理由は)
「テーマの自由は私の人生全体を貫いています。この本は、自由のない東ドイツでの子ども時代から政界引退まで書いたものです。自由は子ども時代に特別なものでした。当時、自由はありませんでしたが、政界に入り重要な意味を持ちました。自由は民主主義国家にしかなく、そのために私は活動してきました」

東ドイツで育ったこと。それがメルケル氏の原点です。東西冷戦の始まりとともに生まれた分断国家。その東側は貧しく、どこに秘密警察が紛れているか分からない灰色の世界でした。自由なき独裁体制下を生き抜いた少女が目指した道は、理系である物理学でした。

アンゲラ・メルケル著『自由』(KADOKAWA)
「2たす2は東ドイツでも4なのだ」

■歴史の“転換点”政治の道へ

歴史の転換点をつかみとり、政治の世界に飛び込んだメルケル氏。副報道官を皮切りに閣僚、党首、そして、ドイツ史上初の女性首相へと駆け上がっていきます。

ドイツ メルケル元首相
(Q.愚かな質問かもしれませんが、旧西ドイツで育っていたら)
「愚かな質問ではありません。政治の道を選ばず、他の職業へ進んでいたでしょう。西ドイツでは教師か心理学の道を志したかもしれません。東ドイツではやろうとは思いませんでした」

就任以来、4期16年の長きにわたって国を導き、ヨーロッパの羅針盤として各国の指導者たちと渡り合ってきました。2021年、首相退任とともに政界を引退。これが一時代の終わりを告げたかのように、国際社会は今、冷戦崩壊後最大の揺らぎの中にあります。



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