「目覚めた保守層」は、なぜ外国人に牙をむくのか 新興政党の登場で顕在化する排外主義


ぎゅうぎゅう詰めのバス、あふれるゴミ…「来てもらわなあかん」地域の切実な声

 SNSをきっかけに「目覚めた保守層」。なぜ彼らは新興右派政党を支持し、外国人に牙をむくのか。両党の支持者の取材で見えてきたのは、日常生活の不満や危機感にナショナリズムが絡み合って生まれた排外主義だった。(共同通信=佐藤高立)
 ▽「日本国は日本人のものである」

 2月9日の午後、和歌山県橋本市の公民館。参政党の和歌山第2支部が衆院議員による講演などのイベントを開いていた。集まった25人ほどの支持者たちは、40~50代が多い印象だが、子どもを連れた30代くらいの女性も目立つ。

 イベント中に目を引いたのは「創憲」ワークショップのコーナーだ。「理想の日本」をテーマに、支持者自身が新たに「憲法を創る」、参政党が推進している活動だ。
 ワークショップでは、4人ほどのグループに分かれて議論し、模造紙にマーカーで、それぞれの案を書いていく。

 ―日本に居住する者は、日本の伝統文化・慣習に従う

 ―目指すべき国家像として”八紘一宇(はっこういちう)”の精神を盛り込む

 ―選挙投票の義務化

 ―国民の幸せという観点より、弱者の意見や思いが反映される

 ―1次産業を守る義務  「投票の義務化」や「弱者の意見が反映」など、市民目線で多くの人に政治への参加を促すような内容も少なくない。

 「八紘一宇」は「世界を一つの家にする」という意味で、太平洋戦争中に日本が大陸進出を正当化するために掲げたスローガンだ。

 昨今増加してきた外国人労働者や留学生を念頭に置いたとみられる案もある。
 あるグループで、こんな会話があった。

「まずは人間としての義務を課してから、権利を教えるべきですよね」(女性)

「そうですね。外国人にとって日本はパラダイスやからね」(別の女性)



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