兵庫県の斎藤元彦知事(47)を巡る内部告発文書問題に関して、故・竹内英明元兵庫県議(享年50)の名誉を毀損した疑いで11月9日に逮捕された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)の事件が、世間の大きな注目を集めています。この逮捕劇は、かつてこの問題を取り上げたお笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦氏(43)のYouTube動画にも再び関心を向けさせており、特に彼の兵庫県知事選に関する解説動画が現在「メンバー限定」公開になっていることが憶測を呼んでいます。
立花孝志氏逮捕と故・竹内英明氏への名誉毀損容疑
立花容疑者は昨年12月の街頭演説で、竹内元県議について「警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」と発言しました。竹内氏の逝去後も、X(旧Twitter)上で「昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました」といった虚偽の情報を発信し、名誉を毀損した疑いが持たれています。竹内元県議は内部告発文書問題を調査する県議会調査特別委員会(百条委員会)のメンバーでしたが、SNSでの誹謗中傷に苦しみ、知事選後に議員を辞職。その後も誹謗中傷が続き、今年1月に急逝されました。
警察の取り調べに対し、立花容疑者は発言した事実については争わない意向を示しているとのことです。しかし、捜査関係者の証言として、警察は立花氏の情報源とされた人物らから聞き取りを行った結果、同氏が情報そのものを虚偽だと認識していた疑いがあるとも報じられています。
中田敦彦氏の兵庫県知事選解説動画が物議を醸す
この事件が大きな話題となる中、立花容疑者の逮捕をきっかけに、YouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」で550万人以上の登録者を持つ中田敦彦氏の過去の発言にも関心が集まっています。中田氏は歴史、政治、経済など多岐にわたるテーマの解説動画で高い評価を得ていますが、昨年11月17日投開票の兵庫県知事選に際し、同年11月15日と16日に「兵庫県知事選挙という究極のミステリー」と題する動画を前後編に分けて公開していました。
中田敦彦氏の真剣な表情
中田氏は動画の中で、知事選のきっかけとなった斎藤知事の内部告発文書問題や候補者について解説し、特に立花容疑者をクローズアップしていました。前編では「この方はものすごいことをやってますよ」と語り、立花容疑者のことを「選挙というシステムを熟知した上で、その裏をかくようなやり方をやって、自分の思いを国民に届けたいという方」と紹介。さらに、斎藤知事へのパワハラ報道が「実は嘘である」「斎藤さんはものすごく陥れられているんだ」という立花容疑者の主張を、中立的な立場を強調しつつも熱を込めて説明していました。彼は「内部告発という仕組みを悪い方向に利用して、政治的に邪魔な存在を追いやろうとしているだけなんじゃないか、という裏を主張したいということで立花さんは動いているわけです」ともコメントしています。
立花容疑者が逮捕された11月9日頃から、これらの動画の一部を切り取ったものがXなどのSNSで再び拡散され、多くのユーザーから「立花氏逮捕についてのコメントを聞きたい」「あっちゃんよ、今回の逮捕についても同じトーンで説明してくれんかのう」といった反応が寄せられています。
関連動画が「メンバー限定」に、憶測広がる
この騒動の中、中田氏が兵庫県知事選を解説した2本の動画が、いつの間にか「メンバー限定」設定に変更されていることが判明しました。これにより、中田氏のYouTubeチャンネルの有料メンバーしか閲覧できなくなり、コメント欄も非公開となっています。この異変に気付いたユーザーからは、「朝は見れたのに」といった指摘も上がっています。
中田氏は今年2月にも、公開から1年以上経過した900本以上の過去動画を非公開にし、内容の精査や編集後に順次再公開する方針を発表していました。しかし、兵庫県知事選の解説動画は比較的新しいため、この「非公開の対象外」であった可能性が指摘されています。また、同時期に公開された他の動画が「メンバー限定」になっていないこともあり、立花容疑者の逮捕を受けて、中田氏が自主的に一般公開を“自粛”したのではないかという憶測が広がっています。
昨年末には、『報道の日2024』(TBS系)のMCに抜擢されるなど、その発言が大きな影響力を持つ中田氏。今回の立花容疑者逮捕のニュースは、影響力のある人物の過去の発言が、現在の状況によって再評価されるという、社会の傾向を改めて浮き彫りにしています。





