斎藤知事「漏洩指示」の衝撃も兵庫県議会が切れない最後のカード SNS反応「先見えん」


【ひと目でわかる】第三者委が認定した斎藤知事の主なパワハラ行為「舌打ち」「夜間休日のチャット」「叱責」

井ノ本知明(ちあき)元総務部長による県議3人への情報漏洩を認定した第三者委は、その報告書で「知事の指示」に言及。斎藤氏はこれを言下に否定しつつ、井ノ本氏に対する懲戒処分(停職3カ月)を認め、追加調査の予定も井ノ本氏を刑事告発する考えもない、とした。

「なぜこっち(井ノ本氏)は告発しないのか。県がしないなら、われわれが告発すべきではないか」。県議会最大会派のある自民県議はこう話し、別件の情報漏洩では県が容疑者不詳のまま刑事告発したこととの矛盾を訴えた。

「あの報告書でまた流れが変わった」。別の自民幹部も「漏洩指示」の衝撃を率直に明かす。もっとも今夏の参院選を見据え、不信任案提出という「最後のカード」を切ることには及び腰。「まずは指示の有無を、改めて知事に尋ねることになる」と様子見の姿勢だ。

斎藤氏は昨年11月の知事選で交流サイト(SNS)の世論を引きつけ再選。全会一致で不信任を決議した県議会が一転、逆風にさらされた。

「知事の追及は当然やらんとあかんが、やり方によってどう転ぶか先が見えん」。自民の別のベテラン県議も流動的なSNSの反応を恐れ、不信任には消極的。ただ斎藤氏が自身の給与を削減する条例改正案をもって問題の早期終結を図ろうとしていることに対しては「それで幕引きとはいかない」と反対に回ると明言した。

第2会派の維新も腰は定まっていない。もともと斎藤氏寄りだった所属議員3人が知事選後に維新とたもとを分かち、独自会派「躍動の会」を結成して斎藤氏支持を鮮明にした。複数の県議によると、維新会派の中には躍動に同調的な議員も少なくないという。

一方、第4会派で立憲民主党議員らでつくる「ひょうご県民連合」は斎藤氏に辞職を求める意向を表明しており、上野英一幹事長は「知事の辞職が最善の策。6月議会ではそれに集中する」と言葉に力を込めた。共産県議団も2日、斉藤氏の辞職を求める文書を県に提出。「知事の主導により、告発つぶしと言える行為が行われた」と厳しく批判した。県民連合、共産のいずれも最終的な不信任の考えを排除してはいないが、まずは自発的な知事の辞職を求めるとしている。



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