政治ジャーナリスト田崎史郎氏が2日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金後1・55)にリモートで生出演し、放出されたはずの政府備蓄米の行方について解説した。
コメ不足で価格高止まりが続く中、失言で辞任した江藤拓前農相が放出した30万トンの備蓄米よりも、後任の小泉進次郎農相就任後に随意契約で売り渡された備蓄米の方が、より多く世に出回る事態になっている。こうした状況に、元衆院議員でタレントの杉村太蔵は「そこまでコメの価格が一気に下がるというのを、嫌っていたんじゃないか。生産者のことを考えるとできるだけ高く安定した方がいいんじゃないかと思っていたんじゃないか」と述べ、江藤氏の思惑を指摘した。
すると田崎氏も「江藤前農水大臣は、農水族なんです。農水族も農協も農林省も、コメの値段はできるだけ下げたくないという心理が働く」と、杉村に同調した。
田崎氏によると、「江藤さんが出した30万トン分というのは95%、全農が買い占めているんです」といい、「そしたら、流れないんですよ。そういう問題もあります」と続けた。その理由は「これは、JAが売ってないんだと思います、卸業者に」という。
番組では、一般的なコメの流通の流れをフリップで説明。生産者から集荷業者、卸売業者、小売業者と3つの業者を経て、ようやく消費者に届くという流れだ。田崎氏は「集荷の段階で、たぶん今でも20%くらいしか出していなんじゃないないかと思いますよ」と推測した。「できるだけコメを高く売りたいという思惑で、市場にある程度、渇望感を作りながら流しているんじゃないかと思う」と、コメ不足、価格高騰の原因を指摘した。
夏の終わりには新米も出回る。田崎氏は「この集荷業者の人たちも、8月末から新米が出てきますから、売らないとどんどん古古米になっていく。損すると分かっていたら、売ってくると思います」と、今後の備蓄米の行方を予測していた。