スーパーで販売されたコメの平均価格が3週間ぶりに値下がりした。随意契約による備蓄米の店頭販売は迅速との声もあるなか、JAなどが入札した備蓄米は流通の遅れが指摘されている。
■コメ価格3週間ぶり値下がり
先月25日までの1週間のスーパーのコメの平均価格は5キロあたり4260円で前の週より25円値下がりし、3週間ぶりの値下がりとなった。
また、随意契約で放出した備蓄米の店頭価格は5キロあたり、古古米が約2000円、古古古米は見通しの価格で約1800円となっている。
小泉進次郎農水大臣は1日、「今回の備蓄米投入でコメ全体の価格にも一定の影響を与える可能性がある」と述べていて、コメ価格のさらなる値下がりが期待される。
一方で、JA福井県五連の宮田幸一会長は先月27日、「(コメの価格が)下がり続けると(農家の)生産意欲がなくなる」と指摘している。
自民党の森山裕幹事長も先月31日、備蓄米ではないコメの適正価格について「5キロで3000円から3200円くらいだと農家の皆さんもコストに見合う」と述べている。
■「五次問屋まで存在」流通遅れの要因か
こうしたなか、備蓄米の競争入札について流通が目詰まりしているという指摘もある。
3月に行われた2回の入札で政府が放出した備蓄米約21万トンは、JA全農が9割超を落札したが、先月11日までに卸売業者に渡ったのは約34%、うちスーパーなどの小売店に出回ったのは約13%にとどまるという。
※ JA全農:JAグループの全国組織で、全国の農家と消費者を結びつける商社的な役割を担っている。
備蓄米放出に限らずコメの流通そのものについて、業者からも指摘があった。
ドン・キホーテの運営会社は小泉大臣に意見書を提出し、コメ流通の問題を次のように指摘した。
・五次問屋まで存在していて中間コストが発生
・JAが(生産者から)集めたコメは特定の一次問屋に流れてしまい、新規参入が困難
・二次問屋以降にはブローカーや転売目的の業者が一部いる
小泉大臣も1日、「流通を透明化して改善すべきことがあれば見直していく。五次卸とか五次問屋とかあまりにも多い」と指摘している。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年6月3日放送分より)
テレビ朝日