どんな役柄でも器用に演じ分けられる俳優がいる一方で、まるでその役のために存在しているかのように、ぴたりとハマる俳優もいます。橋本環奈は、まさに後者のタイプだと言えるのではないでしょうか。
【画像】橋本環奈がハマり役と話題のドラマ『天久鷹央の推理カルテ』
現在放送中の『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日系・火曜よる9時~)で演じている主人公・天久鷹央も、そんな「ハマり役」のひとつです。
朝ドラヒロインが不評だったワケ
2024年後期の朝ドラ『おむすび』でヒロインを務めた橋本環奈ですが、その評判はあまり芳しくありませんでした。
ヒロイン・米田結は、神戸で震災を経験した姉との確執からギャル文化を嫌い、夢を持たず、「普通」であることを望むというキャラクター。物語が進むにつれて栄養士を志すようになり、まさに市井の人々を象徴するような存在です。
しかし、物語冒頭で描かれる、夢を抱かずキラキラしていない橋本環奈には、本来のスター性が抑えられていたことで、かえって彼女の魅力が十分に発揮されていないようにも感じられました。
橋本環奈は、10代の頃に「天使すぎるアイドル」として注目を浴びた美少女であり、26歳になった現在も、大きな目と童顔を特徴とする華やかな顔立ちをしています。加えて、彼女は小柄な体格もあって、周囲との対比で画面の中ではひときわ目立つ存在となっています。
その橋本環奈が、不貞腐れた様子で「夢はない」と語り、「ギャルになって目立ちたくない」と口にしても、どうしてもその言葉には現実味が伴わず、説得力に欠けてしまいます。
“ちょっと変”な役柄がハマるワケ
逆に、橋本環奈は「市井の人」ではなく、どこか特殊で“ちょっと変わった”キャラクターを演じることに定評があります。だからこそ、漫画作品の実写化には欠かせない女優だといえるでしょう。
『銀魂』の神楽役や『斉木楠雄のΨ難』の照橋心美役、『キングダム』の河了貂役など、数々の実写化作品でヒロインや重要な役どころを務めてきました。
彼女は、可愛らしい顔立ちをあえて崩し、漫画的な「変顔」すら臆することなく全力で表現できる貴重な存在です。画面上で強い存在感を放ちながらも、コメディ要素を自然に演じきることができるため、作品にリアリティと説得力を加える役割を果たしてきました。
今回の『天久鷹央の推理カルテ』もその延長線上にあると言えます。原作はベストセラー作家・知念実希人による人気シリーズで、今年1月からはアニメ版の放送・配信もスタートし、話題を呼んでいます。