兵庫県知事選挙におけるNHK党の立花孝志党首の言動を巡り、兵庫県警は6月4日、選挙中の言動による県議への名誉毀損、脅迫、業務妨害の疑いで神戸地検に書類送検しました。これは、昨年秋に行われた斎藤元彦知事の再選を支援した際のものです。さらに翌5日には、別の県議が立花氏の街頭演説で名誉を傷つけられたとして損害賠償を求め提訴しており、立花氏の一連の行動が法廷で問われることになります。
立花孝志氏の書類送検に関するニュースを示す、司法の天秤のイラスト
斎藤知事支援と「2馬力選挙」の背景
立花氏は昨年秋の出直し知事選で、当選を目指さず斎藤知事を応援する「2馬力選挙」を展開しました。その中で、演説やSNSを通じて「斎藤知事の疑惑は嘘でハメられた」と主張し、疑惑告発者や県議会関係者らを非難しました。
批判の矛先となった人々
批判の矛先は、疑惑告発後に自死とみられる元西播磨県民局長のA氏、そして疑惑の真偽を調査した県議会調査特別委員会(百条委)に関わった奥谷謙一県議(委員長)、竹内英明元県議、丸尾牧県議らに向けられました。特に竹内元県議は、SNSとリアルの双方で起きた誹謗中傷から家族を守るために議員を辞職した後、今年1月に亡くなっています(自死とみられる)。
書類送検された具体的な容疑
今回の書類送検容疑は、主に奥谷県議からの告訴や被害届に基づくものです。容疑の一つは、知事選告示日の昨年10月31日から11月1日にかけ、A氏の死亡原因を奥谷県議が隠蔽したとする内容をX(旧Twitter)にポストした名誉毀損。もう一つは、11月3日に神戸市内の奥谷県議宅兼事務所を支持者と訪れ、玄関のインターフォンを鳴らしたり、「出てこい」「あんまり脅しても自死しても困りますからこのへんでやめておきます」などと発言したりした行為に関する脅迫と業務妨害です。これらの場面もSNSで拡散されました。
兵庫県知事選を巡る報道に対し「無罪を確信」と投稿した立花孝志氏のX画面と、訴訟提起会見を行う丸尾牧県議。(ひぼうちゅうしょう問題)
今後の捜査と民事提訴
書類送検を受けた神戸地検は今後、県警の捜査内容を検討し、必要に応じて補充捜査を行った上で、立花氏を起訴するかどうかの判断を行います。現時点では起訴が決まったわけではありません。県警は書類送検時に検察に伝える『処分意見』を明らかにしていませんが、県議会関係者からは、県警が記者団に非公開で送検の事実や内容を説明したことから、起訴相当と考えている可能性を示唆する声も出ています。
さらに、別の丸尾県議は5日、立花氏の街頭演説での発言によって名誉を傷つけられたとして、1100万円の損害賠償を求める民事訴訟を神戸地裁に提起しました。
結論
一連の兵庫県知事選挙における立花氏の言動を巡る問題は、刑事責任を問う書類送検と、損害賠償を求める民事訴訟という、二つの側面から法廷の場でその適法性が問われる段階に入りました。今後の司法判断が注目されます。
出典
Yahoo!ニュース/集英社オンライン