「女性として生きてきた生活の破壊」 芥川賞作家が甲府市議の“アウティング”に対し損害賠償を請求


医療情報や過去の氏名・写真をSNSに投稿される

2024年11月、李さんはインターネット上でアウティングや誹謗(ひぼう)中傷を受け続けてきたことを表明しつつ、トランスジェンダーであることを自身のホームページでカミングアウトした。

被告は、村松ひろみ・山梨県甲府市議会議員。2024年5月下旬、村松議員は自身のFacebookアカウントにおいて、李さんを名指しし「身体が男性で手術もしていません」「身体男性の女性でレズビアン、つまり恋愛はノーマル」などの記載を含む投稿を行った(以下「投稿A」)。

同月28日、投稿に気づいた李さんは警察に相談を行った。29日、警察官から電話で注意を受けた村松議員は投稿Aを削除。

同日、村松議員は「真相を確かめたわけではなかったので先の投稿は削除した」「断定的な投稿をしたことに関して謝罪する」という旨を表明したうえで、別の人物による投稿のスクリーンショットを貼付した投稿を行う(以下「投稿B」)。

その内には、李さんの未成年時の写真や過去の氏名など未公開の機微な個人情報や「女性自認の身体男性」「法的女性でもないみたい」「性別適合手術もしていないのかしら」などの記載が掲出されていた。

李さんは「警察に相談した結果、さらに悪質な投稿をされることになった」「次に警察に相談したら何をされるかわからない」と考えて、今回の提訴まで、村松議員に関して対応を取れなくなったという。

2024年6月、李さんは心療内科で適応障害と診断を受けた。なお、投稿Bは2025年6月5日時点で削除されていない。



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