フジテレビと同社の親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(FMH)は5日、中居正広氏と元女性アナウンサーAさんを巡る一連の問題に対し、関与した社員6人の懲戒処分と、当時の港浩一前代表取締役社長および大多亮前専務取締役の2人に対する法的責任追及のための提訴を発表しました。この決定は、東京・台場の同局で行われた臨時取締役会でなされました。
社員6人への懲戒処分内容
第三者委員会による調査報告書に基づき、計6人の社員が懲戒処分等の対象となりました。特に問題視された、中居氏とAさんを複数回食事会に同席させるなどした元編成部長B氏は、4段階の降職と1か月の懲戒休職という重い処分を受けました。事案報告を受けながら「プライベートな男女間のトラブル」として処理した元編成局長G氏は、50%の減俸処分となりました。
この他、Aさんが所属していた当時の編成制作局アナウンス室長E氏はけん責処分、当時の人事局長H氏は戒告処分となりました。また、当時の報道局長は2か月2週間の懲戒休職、女性社員へのハラスメント行為が確認された報道局取材センター政治部勤務社員については処分なしとされました。同社の就業規則における懲戒処分の段階は、懲戒解雇、退職勧告、降職または役位はく奪、懲戒休職、謹慎、減給、けん責、戒告の順に重くなります。
元代表取締役2人への法的責任追及
フジテレビおよびFMHは、当時の港浩一前代表取締役社長と大多亮前専務取締役に対し、一連の問題における法的責任を追及するため、提訴する方針を発表しました。
処分決定プロセスと記者会見での応対
臨時取締役会後の囲み取材で、フジテレビの清水賢治社長は処分決定のプロセスについて説明しました。処分内容を議論する賞罰審査委員会は合計5日間、6回にわたり12時間以上の審議を重ねたと述べ、外部弁護士からの助言や他の弁護士によるセカンドオピニオンも参考に判断に至ったことを強調しました。
フジテレビの清水賢治社長が記者会見で社員処分と元役員提訴について説明
一部社員からは事実認定や処分内容に対する異議申し立てもあったものの、それによって処分が変わることはなかったと言います。記者からの処分が甘すぎるのではないかとの指摘に対し、清水社長は当初自身の衝撃が大きかったとしつつも、報道によるバイアスや、特定の社員には問題報告が直接届いていなかった事実などを挙げ、「日本は法治国家であり、処分される側にも人権がある」と理解を求めました。しかし、一部記者からは厳しい声も上がりました。
まとめ
今回の発表により、フジテレビおよびフジ・メディア・ホールディングスは、中居正広氏と元女性アナウンサーAさんを巡る一連の問題に対する社内処分と、当時の経営陣への法的措置を公にしました。今後の裁判の行方などが注目されます。
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