古市憲寿氏、フジ第三者委の資料開示拒否を厳しく批判 「迷走」「逃げたと思われても仕方ない」

社会学者の古市憲寿氏が2025年6月3日、フジテレビなどが設置した第三者委員会について、X(旧Twitter)でその対応を強く批判した。特に、中居正広氏の代理人弁護士からの資料開示要求を委員会が拒否したとされる報道に対し、「回答から逃げたと思われても仕方がないですね」と指摘し、委員会の姿勢に疑問を投げかけた。

社会学者の古市憲寿氏がXで第三者委員会の対応を批判している様子社会学者の古市憲寿氏がXで第三者委員会の対応を批判している様子

第三者委の「二次被害」理由に疑問呈す

報道によると、中居氏の代理人弁護士は、第三者委員会の調査報告書の内容に抗議し、作成に使われた資料の開示などを求めていた。しかし、委員会は3日、「被害者への二次被害の危険性」を理由に資料開示を拒否し、今後のやり取りも控えると発表したという。

古市氏は、委員会の対応を「迷走していますね」と厳しく批判。「『二次被害』を理由に回答を拒否するなら、そもそも報告書も関係者だけに開示して、世間に公表しなければよかった」と述べた。さらに、「『二次被害』というマジックワードを武器に、説明責任から逃げ続けるなら、第三者委員会の信頼性そのものが失われかねない」と警告。6月2日の日本経済新聞にもあったように、「適当な事実認定で報告書が公開されることもあるのに、反論の手続きがないのも大問題」と、第三者委員会制度自体の問題点にも言及した。

守秘義務の誤認など、具体的な問題との関連性

古市氏は、委員会が主張する「二次被害」が、中居氏の代理人が訴える具体的な問題点にどう当たるのかも不明だと指摘。「中居さんの代理人が訴えるWHO定義を恣意的に使用したことの可否や、守秘義務の誤認という問題が、どう『二次被害』に当たるのかもわからない」との見方を示した。本当に二次被害の可能性があるなら、「世間に非公表で回答していいかどうかを代理人に聞けばいい」と提案した。

問題の深刻さと制度的な欠陥

古市氏は、委員会が資料開示や説明を拒否する背景には、「相当にまずい、クリティカルな問題を認識しているからこそ、回答から逃げたと思われても仕方がない」という判断があると推測している。

さらに、この問題は特定ケースに留まらず、多くの人々にとって他人事ではないと強調。「警察でも裁判所でもない組織が、急にあなたを犯罪者のように扱ってくる可能性がある。だが国家機関でも何でもないから、反論の機会が確保されてもいない。現在の第三者委員会制度の決定的な欠点だと思う」と述べ、現行の第三者委員会制度の構造的な問題を浮き彫りにした。

結論

古市憲寿氏は、フジテレビなどが設置した第三者委員会が中居正広氏側への資料開示を「二次被害」を理由に拒否したことに対し、「迷走」し「回答から逃げている」と強く批判した。この対応は委員会の信頼性を損なうだけでなく、事実認定や反論機会の欠如といった第三者委員会制度そのものが抱える構造的な欠陥を露呈していると警鐘を鳴らしている。