俳優の鈴木福(20)が6月2日、NHKの番組『鶴瓶の家族に乾杯』にゲスト出演した際、司会を務める笑福亭鶴瓶(73)からのある質問が、ネット上で大きな話題を呼んでいる。長年、子役時代から共に活躍してきた芦田愛菜(20)との関係に言及した鶴瓶の問いかけに対し、様々な声が上がっている。
この日の放送では、鶴瓶と鈴木が広島県東広島市を訪れた。久々の再会だという二人が話す中で、鈴木の芸歴の話題になった。1歳で芸能界デビューした鈴木に対し、鶴瓶が「この世界はもう離れないやろ?離れられへんて、もう」と問うと、鈴木は「そうですね、今さら離れるつもりもないですし」と即答した。
すると、鶴瓶は「愛菜ちゃんもそうやんな。愛菜ちゃんは(年)上か?ちょっと」と、女優の芦田愛菜の名前を出し、二人の関係性を尋ねた。これに、鈴木が「同い年です。誕生日も1週間ぐらいしか違わない」と答えると、鶴瓶は「愛菜ちゃんと会うこともある?」とさらに質問を重ねた。
番組でのやりとり詳細
鈴木は「ないです、全然。もう、一切。仕事でしか会わないんですけど」と苦笑いしながら明かしたが、鶴瓶は「おかしいやんか、それは。なんかちょっと抵抗してるけど、付きおうてんの?」と、突如として熱愛を匂わせる踏み込んだ質問を投げかけた。
鈴木が「違います、違います」と即座に否定し、「普通に連絡先も知らないですし、プライベートで会うこともまったくない」と説明している最中も、鶴瓶は「おかしいやん」とツッコミを入れた。さらに、「2年ぐらい会ってないですかね」と続けた鈴木に、鶴瓶は「ふーん、えぇ~」と相槌を打ちつつも、どこか納得がいかないような表情を浮かべていた。
NHK「鶴瓶の家族に乾杯」で鈴木福(左)に芦田愛菜との関係について質問する笑福亭鶴瓶(右)
ネット上の批判と「不適切」の声
この鶴瓶の質問に対し、X(旧ツイッター)上では嫌悪感を示す声が多くあがっている。
- 「異性で一緒に仕事してただけで『付き合ってるの?』はザ・昭和って感じの感覚」
- 「こういうの聞かれるの、もううんざりだろうな。ある種ハラスメントだよ」
- 「この質問自体アウト!いかに鶴瓶さんでも、人権感覚が前時代すぎ…」
- 「鶴瓶もデリカシーない 司会者なのにもっと別の事聞き出せないのかしら」
といった意見が見られ、「不適切」「ハラスメント」といった言葉で鶴瓶の質問を批判する投稿が相次いだ。長年のキャリアを持つ大御所タレントの発言だけに、その影響力と現代の価値観とのずれが指摘されている。
背景と問題提起
鈴木さんと芦田さんは、ともに人気子役として活躍し、2011年に共演したドラマ『マルモのおきて』(フジテレビ系)では社会現象を巻き起こした。また、同作の主題歌を歌い、同年大みそかの『NHK紅白歌合戦』には史上最年少で出場している。
その後、二人は俳優・女優として第一線で活躍し続け、2023年には同じ慶應義塾大学に入学したことも大きな話題となった。こうした経緯から、これまでも二人の関係性については、多くの番組で「お決まりのネタ」として度々イジられてきた背景がある。
あるテレビ関係者は、鶴瓶がこうした過去の文脈を踏まえて、芦田さんの話題を出した可能性に言及している。しかし、同時に「男女問わず、職場で“恋人の有無”などプライベートな質問をするのは“ご法度”とされていますし、一部の視聴者には“不適切”な質問だと捉えられてしまったのでしょう」と指摘した。現代では、芸能人であってもプライバシーに対する意識が高まっており、安易な色恋沙汰に関する質問はハラスメントと受け取られるリスクがあるという現状が浮き彫りになった形だ。
今回の出来事は、エンターテインメントの世界における、時代と共に変化するプライバシー意識と、それに対する表現のあり方について、改めて考えさせられる一幕と言えるだろう。