妻夫木聡、念願の朝ドラ「あんぱん」初出演!役柄と共演者への思いを語る

NHK連続テレビ小説「あんぱん」に俳優の妻夫木聡さん(44)が八木信之介役で本格登場し、話題となっています。1998年の俳優デビュー以来、これが自身にとって念願だった「朝ドラ初出演」となります。長年にわたり日本の映画・ドラマ界で第一線を走り続けてきた妻夫木さんが、初めて挑む朝ドラの舞台、そして演じる重要な役柄や共演者への思いについて、スポニチアネックスの取材に応じ、その胸中を明かしました。

「朝ドラに出るのはずっと夢だったので、本当に素直にうれしかったです」と、オファーを受けた時の喜びを笑顔で語った妻夫木さん。「アンパンマン」の生みの親であるやなせたかしさんと妻の暢さんをモデルに、夫婦の歩みを描く本作で、ついにその夢を実現しました。

朝ドラ出演の意外なきっかけ

2009年のNHK大河ドラマ「天地人」で主演を務めるなど、輝かしいキャリアを積んできた妻夫木さんですが、意外にも朝ドラは今回が初挑戦。その出演のきっかけは、異国の地での“偶然の再会”だったといいます。2013年にラジオドラマ「世界から猫が消えたなら」で主演を務めた際、それが「あんぱん」の制作統括である倉崎憲チーフプロデューサー(CP)が新人時代に初めて演出した作品でした。時を経て一昨年の秋、米ロサンゼルスで久しぶりに再会を果たした二人は、「いつか次は連ドラでご一緒できる日を夢見ていました」という倉崎CPたっての願いで今回のオファーへと繋がったとのこと。妻夫木さんは「やなせさんの物語で、“嵩(柳井嵩、北村匠海)とのぶ(朝田のぶ、今田美桜)に影響を与えるような役を考えている”と言ってくださったのがすごくうれしかったです」と、役柄への期待と共に振り返ります。

やなせ作品への愛着と「ロールパンナちゃん」

妻夫木さん自身もやなせさんの作品のファンであり、出演の喜びはひとしおだといいます。「僕はロールパンナちゃんが凄く好きです。正義の心と悪の心を合わせ持ったキャラクターですが、一番人間らしいなと思います。ピュアな心しか持っていない人間なんて存在しないじゃないですか。みんな人には出さない部分を持っている。ロールパンナちゃんを見ていると、自分を見ているような気持ちになります」と、作品世界への深い共感を語りました。特に自身の子供たちが今「アンパンマン」に夢中であることから、「本当にお世話になっています」と、作品への親近感を明かしました。

NHK連続テレビ小説「あんぱん」で八木信之介を演じる妻夫木聡さんNHK連続テレビ小説「あんぱん」で八木信之介を演じる妻夫木聡さん

八木信之介という役柄

念願の朝ドラで妻夫木さんが演じるのは、漫画家・やなせたかしさんをモデルとした柳井嵩(北村匠海)の“戦友”となる八木信之介。小倉連隊の上等兵として、第50回(6月6日)の初登場シーンでは嵩に対し「戦場では、気のゆるんでおる奴が一番に死ぬ。気を引き締めろ!」と厳しい言葉を投げかけました。しかしその一方で、軍隊になじめない嵩に気を配り、折に触れて助け舟を出す優しさも持ち合わせています。詩や文学を愛する一面も持ち合わせる八木は、物語の前半のヤマ場である「戦争パート」を担う重要人物として描かれます。

妻夫木さんは自身の役柄について、「一見厳しさはあるのですが、冷静に嵩のことを見つめていて、誰よりも彼の才能や人間性を認めているキャラクター」だと分析。「そんな陰で支える八木の姿勢に僕も共感できたし、これならば最後までしっかりと一緒に戦っていけるなという思いでしたね」と、役柄への深い共感と演じる上での手応えを語りました。

共演・今田美桜の存在感

八木はのちに、ヒロインである朝田のぶ(今田美桜)にも大きな影響を与えていく存在です。今田さんとは「ジャンボ宝くじ」のCMでコミカルなきょうだい役として共演経験がありますが、今回の現場での今田さんの姿に「初めて見る顔をずっとしている。本当にのぶとして生きているのだなと感じます」と、これまでの印象とは異なる新たな表情に驚きを示しました。思わず「もうのぶだね」と本人に声をかけたほどの、自然体のたたずまいだったといいます。「のぶと一緒に今田さんが成長していると思います。『あんぱん』が終わったらまた一皮むけて、さらに素晴らしい女優になっているんじゃないかな」と、ヒロ田さんの今後のさらなる飛躍に期待を寄せました。

慧眼を持つ八木信之介の登場が、主人公・柳井嵩、そしてヒロイン・朝田のぶの物語、そして二人の関係性にどのような影響を与えていくのか。妻夫木聡さんの朝ドラ初出演に懸ける熱演と共に、今後の「あんぱん」の展開から毎朝目が離せません。

【出典】スポニチアネックス(Yahoo!ニュースより)