山尾志桜里氏、参院選擁立で再燃する過去の疑惑:ガソリン問題から消えた500万円の行方

「地球5周分」や「地球9周分」と形容されたガソリン代の不正使用疑惑、さらには公選法違反の疑いが指摘された「謎のショートメール」大量送付など、民進党政調会長時代に山尾志桜里氏に向けられた数々の疑惑は、これまでにデイリー新潮が詳細に報じてきた。こうした過去の疑惑や不倫問題に関する説明が今再び求められているのは、今夏の参議院選挙で国民民主党の候補者として山尾氏が擁立されることが決定したためである。この擁立決定は政治界隈で大きな波紋を呼び、国民民主党代表である玉木雄一郎氏もその弁明に追われる状況となっている。

参議院選挙への擁立が波紋を呼ぶ国民民主党の山尾志桜里氏参議院選挙への擁立が波紋を呼ぶ国民民主党の山尾志桜里氏

山尾氏自身は当時、記者会見などで疑惑について説明を尽くしたという思いがあるのかもしれない。しかし、その説明が世間に十分に伝わったとは言い難い状況だ。当時の説明の説得力に欠けていたこともまた事実として残っている。「政治とカネ」を巡る疑惑の中でも、「ガソリン」という言葉のインパクトが強烈だったため、多くの人々の記憶にはその点ばかりが強く刻まれている。しかし、実はある意味でそれ以上に深刻とも言える別の疑惑が存在していた。

消えた500万円:不自然なカネの流れ

「地球5周分のガソリン代」疑惑を最初に報じた週刊新潮が、次に焦点を当てたのが、その「不自然なカネの動き」である。この動きは、近年問題となった自民党安倍派の「裏金問題」をも連想させるような不可解さを含んでいた。当時の報道に基づき、その不自然な資金の流れを見てみよう。

この不可解なカネの動きが表面化したのは、2014年末に行われた総選挙を前にした時期である。公開されている「選挙運動費用収支報告書」や、当時山尾氏が代表を務めていた「民主党愛知県第7区総支部」の政治資金収支報告書を照合すると、次のような資金の流れが確認できる。

  • 2014年11月21日:民主党本部から山尾氏個人に対して500万円が振り込まれた。この資金は政党交付金の一部であり、「公認料」という名目だった。
  • 2014年12月1日:山尾氏個人から、自身が代表を務める愛知県第7区総支部に対して500万円が振り込まれた。名目は「寄付金」とされていた。
  • 2014年12月1日:同日、愛知県第7区総支部から山尾氏個人に対して500万円が振り込まれた。こちらの名目は「選挙費用」とされていた。

この一連の流れを追うと、党から山尾氏個人へ振り込まれた500万円が、総支部を経由するという形式を取りながら、最終的に再び山尾氏個人へと還流している構造が明らかになる。シンプルに言えば、500万円が総支部というフィルターを通っただけで、実質的には山尾氏個人のもとから離れることなく手元に戻ってきたという状態に等しい。この資金移動の目的や正当性については、当時から疑問が呈されており、今日に至るまで明確な説明はされていない。参議院選挙を控える中、こうした過去の「カネ」を巡る疑惑が再びクローズアップされているのである。

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