ギャバード米国家情報長官は10日、広島を訪問して日本の被爆体験に触れたとして、核兵器の使用に反対する動画を自身のX(旧ツイッター)に投稿した。核保有国間の緊張に懸念を示した上で「狂気に終止符を」と語り、核戦争を避けるために市民に声を上げるよう促した。
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動画は約3分半。冒頭で広島を最近訪問したと明かし、「目にした光景、耳にした物語、今も残る胸を締め付けるような悲しみを言葉で表現するのは難しい。私の人生に永遠に刻まれる経験だ」などと語っている。極度のやけどや放射線障害などを負った「ヒバクシャ」が体験を表現した絵画も鑑賞したといい、「絵画が伝える苦痛と喪失感は写真そのものよりもはるかに強烈だった」などと述べた。
当時よりも圧倒的に威力の強い現在の核兵器は「たった1発で、数分で、数百万人を殺す可能性がある」とし、使用後に続く「核の冬」にも言及。核兵器の恐ろしさは「いままさに直面している現実だ」とし、「政治的エリートや戦争推進派が核保有国間の恐怖と緊張を軽率にあおっている」現状は「核の破滅の崖っぷちに最も近づいている」という認識を示した。
朝日新聞社