【カイロ時事】「もう移動しよう」。
「早く。逃げて、逃げて」。イランがイスラエルにミサイル攻撃を行った13日夜、建物の屋上から商都テルアビブの様子を中継していた米テレビ局のクルーは、激しさを増す空襲に急いでその場から退避した。揺れる映像の中で、赤い火の玉が高層ビル群に向けて一直線に突き刺さるように落下。爆発音が響いた。
【写真】13日、イスラエルの商都テルアビブで、イランからのミサイル攻撃を受け、立ち上る煙
イスラエルのメディアによると、テルアビブや周辺の複数箇所でミサイルによる被害が確認され、建物9棟が崩壊。高層アパートでは火災も発生したもようだ。同国北部でも、迎撃したミサイルの破片が落下し被害が出ている。
SNSには無数の火の玉がテルアビブ上空に降り注ぐ動画が投稿された。空を切り裂くような音が響き、迎撃ミサイルが絡みつくように火の玉に迫り、爆発。「ドーン」と重い音がとどろいた。
テルアビブでミサイルが直撃したとみられる建物は崩れ、路上にはつぶれた車が転がっていた。軍の部隊が、がれきの中から男性を救出した。
幼い娘を抱えた父親は地元テレビ局に「子供と一緒に避難用の部屋にいたときに家が破壊された」と述べた。別の男性は「爆発の音はすさまじかった。今でも体が震えている」と衝撃の大きさを語った。
