「御三家以外なら、大学附属に行かせたい」東京西部で附属校ブームが巻き起こるワケ


【この記事の画像を見る】

● 東京西部は「附属校」が人気 神奈川は「ひとクセある学校」

 富永:渋田先生の拠点は横浜で、私は吉祥寺を拠点とした東京西部が中心です。この近い距離でも受験事情はかなり違いますよね。東京西部、特に中央線沿線を見ると、最近は「附属ブーム」とでも言うべき状況です。

 特に女子を中心に「御三家以外なら、附属に行かせたい。中学で入って、大学まで行けたらいいな」という家庭が多くなっている。私の塾の吉祥寺校の場合、30分通学圏内に6つの大学附属校が慶應以外はすべて揃っていて、中央大学、明治大学、立教大学、成城大学、成蹊大学などの附属校の人気が高まっています。

 神奈川では、聖光学院と洗足学園が非常に人気で、この20年で神奈川を象徴するような難関校になりましたね。塾に行かなくても大学受験の準備が万端であるとか、大学進学実績も申し分ないと言われていますが、なぜこの2校はここまで人気が出たのでしょうか。

 渋田:リベラルアーツ(教養)教育を重視しているところが大きいと思います。特に聖光はスタインウェイ・アンド・サンズのピアノがあったり、洗足も、大学は音楽大学ということで、中高在学中に、ヴァイオリンなど好きな楽器を選んで習得できたりと文化的な教育に力を入れている。

 富永:「その時間に英単語を勉強させれば」と考える保護者もいるかもしれませんが、そこは教養だと。

 渋田:本当にグローバルに活躍したいなら、そういった素養がないと通用しないということですね。哲学、音楽、美術などは大人になってから改めて時間を取って学ぶのは難しいので、中高時代にしっかり身につけてもらおうという学校の強い意志があります。

 富永:そういう点でも、神奈川の学校はいい意味で「ひとクセある」学校が多いですよね。首都圏にも個性豊かな私立はありますが、数ある私学は神奈川に比べるとカラーが比較的似ているような印象があります。



Source link