ロシアのウクライナ侵略を巡り、G7サミットで対露制裁強化に関する議論が不発に終わったことで、プーチン露大統領にとっては理想的な展開となった。対露関係を重視するトランプ米大統領を取り込み、G7の切り崩しに成功した形だ。
タス通信によると、ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官は17日の記者会見で、「世界経済でG7が占める割合は縮小し続けている。もはや使い物にならないようだ」とあざ笑った。
ロシアは、中露が主導するBRICSなどに新興・途上国「グローバル・サウス」を取り込み、G7に対抗していく構えだ。G7が主導する国際秩序に代わり、明確なまとめ役がいない「多極化した世界」も提唱している。
セルゲイ・ラブロフ露外相は17日、今年1月にBRICSに加盟したインドネシアの外相と会談し、「両国の協力は多極化した国際政治と経済の強化に資する」と記者会見で強調した。