【寅さん50年 男はつらいよを読む-吉村英夫】(37)ベストテン考(上) ※表と写真つき

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【寅さん50年 男はつらいよを読む-吉村英夫】(37)ベストテン考(上) ※表と写真つき
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 寅さんファンなら、シリーズ48作品(特別編除く)に順位をつけたくもなる。ただし、その時の気分が加味され、見直してランクが上がったり欠点が見えてきたりする。筆者の現時点での順位は表の通りだが、今この時この気持ちでの評価であり、明日は分からない。

 『男はつらいよ』は、1作ずつ独立しつつも全作がつながっているからこそ、真に偉大なものになった。山田洋次、渥美清などのスタッフ、キャストが命を削り、同時に映画づくりに至福の思いをもってのライフワークにしていったことを、改めて心に刻みたい。

 さらに膨大なファンが、寅さんに心を温めてもらったうれしい気持ちを、私自身も共有したい。どこの誰とも知らない人ともファンとしてつながっているのだと思うと、私に生きる素晴らしさを感じさせてくれる。そんな思いをもたせる希有(けう)のものが『男はつらいよ』である。

 第1位『寅次郎相合い傘』は、高い達成である。すべての要素を混然と併せ持つが、喜劇に上質の情感を持たせた点で画期的。日本の喜劇映画に新しい意味を賦与した。寅とリリー(浅丘ルリ子)の男女フーテンが、旅人の悲哀と栄光をみごとに奏でた。愛する2人がタンカを切り合うテンポも鮮やか。『男はつらいよ』に乾杯!と言いたい。

 第2位『男はつらいよ』第1作は、車寅次郎登場編。1時間半に、寅の帰郷、さくら(倍賞千恵子)の結婚、寅の最初の失恋をぎっしり詰めた濃密な作品である。こんなに快く笑って泣ける喜劇はそれまでなかった。このとき、山田洋次が金脈を発見したことが日本映画史に新しい地平を開いた。そういう意味で画期的。

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