全国銀行協会(全銀協)は19日、加盟銀行向けの指針を見直し、貸金庫での現金保管ができないようにすると発表した。三菱UFJ銀行やみずほ銀行などの貸金庫で行員による窃盗事件が相次いだことを受け、再発防止を目指す。現金を入れていないことを顧客が約束する申告書の例も策定した。
現金保管は、マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用される危険性も指摘されており、現金を「格納できないもの」として扱う。指針は大手行や地方銀行などの加盟銀行が利用者向けの規定を作るために参考にしている。現金保管の禁止は全国の銀行に広がりそうだ。
全銀協会長として記者会見した三菱UFJ銀の半沢淳一頭取は、同行で来年2月に現金の預け入れを禁止するよう規定を見直すと明らかにした。来年2月までの間に、利用者に現金の取り出しを求める。半沢氏は「混乱を来すことがないよう、丁寧な対応をしていきたい」と述べた。