NHKで放送中の大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」第23回「我こそは江戸一利者なり」が6月15日に放送されました。横浜流星さん演じる主人公・蔦屋重三郎の物語が進む中、特に注目を集めたのが福原遥さん演じる花魁・誰袖です。これまでの“小悪魔”ぶりから一転、今回は彼女の秘めたる“悪女”の一面が鮮明に描かれ、大きな反響を呼んでいます。
蔦重が誰袖と意知らの計画に気づく
本屋を日本橋に出す決意を固めた蔦重ですが、その過程で誰袖の動向に不審を抱きます。かつて意次(渡辺謙)の屋敷で会った人物、それが意知(宮沢氷魚)であることを知った蔦重は、意知から亡き源内(安田顕)も口にしていたという蝦夷地(※現在の北海道)の上知計画への誘いを受けます。蔦重は自身のことで手一杯だと断りますが、この計画に誰袖が関わっていることを察します。
誰袖と大文字屋の策略
誰袖を訪ねた蔦重は、彼女を抱える女郎屋の主・二代目大文字屋市兵衛(伊藤淳史)もこの計画に積極的に加わっていることを確認します。危険性を忠告する蔦重に対し、大文字屋は誰袖が意知に身請けされれば得る金銭と名声について語り、一喝します。計画の焦点は、蝦夷を幕府領とするため、松前藩がオロシャ(※現ロシア)と行っている抜け荷(※密貿易)の証拠を掴むこと。前回、吉原に客として来た松前家の廣年(ひょうろく)に抜け荷を行わせることを誰袖が提案し、意知が同意する様子が描かれていました。今回はその計画が実行に移されます。
誰袖、見事な「泣き落とし」を披露
意知が隣室で控える中、大文字屋は廣年に対し、女郎たちのために琥珀を買いたいと持ちかけます。大文字屋が席を外した後、誰袖は廣年に「商人を通さず、直にオロシャから主さんがお買い付けになることはできぬのでありんすか？ そうすれば、安く手に入りんしょう？」と巧みに誘いをかけます。廣年がそれがご法度であり、藩が取り潰される危険性を指摘し声を荒げると、誰袖の目から大粒の涙が零れ落ちます。「わっちは、その金があれば主さんともっとお会いできるかと思いんして…」と儚げにつぶやく誰袖に、情にほだされた廣年は「ひとつ考えてみるゆえ」と口にしてしまいます。隣室で聞いていた大文字屋が思わず「出た」と漏らしたのは、花魁の常套手段である「泣き落とし」が炸裂した瞬間でした。
大河ドラマ「べらぼう」で花魁・誰袖を演じる福原遥。廣年相手に「泣き落とし」を仕掛ける演技の一場面。
計算された視線と視聴者の熱い反響
泣き落としに成功した誰袖は、廣年に「うれしゅうありんす」と抱きつきながらも、「ぜひ、いつの日か身請けを…」と口にした際に、その視線を隣室の意知へと向けます。この計算されたかのような視線は、単なる身請け以上の何か、意知との間に密約があることを強く示唆するものでした。この誰袖の恐るべき一面に対し、視聴者からは「悪女として完璧」「腹の底が見えない悪女っぽさ全開」「誰袖の悪女っぷりにどっぷりハマってます」「福原遥ちゃんの悪女サイコー」「悪女すぎてよい」といった絶賛や驚きの声がSNSなどで続々と上がっています。福原遥さんの演技力が光る一幕となりました。
大河ドラマ「べらぼう」第23回では、福原遥さん演じる花魁・誰袖がその可憐な外見の下に隠された冷徹な策略家の一面を見せつけました。巧妙な「泣き落とし」で廣年を欺き、意知との連携を示唆するその姿は、今後の物語において彼女が単なるヒロイン候補ではなく、波乱を巻き起こす重要な鍵となることを予感させます。視聴者の間で大きな話題となった誰袖の“悪女”ぶりは、今後の展開からますます目が離せなくなりそうです。
