【寅さん50年 男はつらいよを読む-吉村英夫】(39)ファンの声で連ドラが映画に

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テレビ版『男はつらいよ』で寅さんの渥美清(右)とさくら役の長山藍子(BSフジ提供)
テレビ版『男はつらいよ』で寅さんの渥美清(右)とさくら役の長山藍子(BSフジ提供)

 『男はつらいよ』はもともとフジテレビの連ドラである。昭和43年秋から週1回放映で半年。主に山田洋次がシナリオを書いた。

 20年近く行方不明だった車寅次郎(渥美清)が、柴又の「とら屋」に帰ってきて、おいちゃん(森川信)やおばちゃん(杉山とく子)を驚かす。妹さくら(長山藍子)は、はじめ粗暴な兄に嫌悪感をもつが、やがて2人の信頼は絶大なものになる。放映前の原題は「愚兄賢妹」とされていた。

 帰郷した寅は、英語を教えてもらった散歩先生(東野英治郎)を訪ねる。中学中退の劣等生を先生は温かく迎えてくれる。寅は散歩先生の娘夏子(佐藤オリエ)に恋心を抱く。夏子には恋人(加藤剛)がいるのに知らない寅は燃えあがる-。

 このあたりは、映画版の第2作(主なロケ地=京都市)が受け継ぐことになるが、映画の連続失恋と違ってテレビ版で寅の恋は夏子だけ。一話完結ではなく、エピソードをつないでいく正真正銘の連続物語。寅の旅もあまりなく、映画とは根幹の部分でかなり違う。

 映画第1作で寅はお寺の娘に痛烈な失恋をし、家の者にも笑われてしまうが、テレビ版の夏子は優しい女性であり、寅の自分への恋心を知っており、寅に申し訳ない気持ちでいっぱいになって涙しながら去っていく。ラストは、夏子に失恋して奄美大島に出かけた寅がハブにかまれて死ぬという意外なものだった。

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