秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは、このたび南米ブラジルを公式訪問されています。これは日本とブラジルの外交関係樹立130周年および「日本ブラジル友好交流年」にあたる今年、両国の絆を深める重要な機会となります。ブラジルでの歓迎ムードが高まる中、佳子さまはそれに先立ち、国内で関連する公務や訪問を行ってこられました。本記事では、ブラジル訪問に至るまでの佳子さまの歩みと、現地の準備状況について詳しくお伝えします。
「緑化祭」出席から各地訪問へ
佳子さまは5月20日、21日の両日、岐阜県を訪問されました。これは「全国都市緑化祭」記念式典にご出席されるためでした。同祭は緑豊かなまちづくりを目指し、国土交通省などが毎年開催しているものです。佳子さまは21日に可児市で行われた記念式典で、新緑の山々や清流に触れた感動を述べられました。
式典の後には、国の天然記念物である「淡墨桜」の苗木を小中学生らと共に植樹されました。また、20日の岐阜県入りでは、各務原市の淡水魚専門水族館「アクア・トト ぎふ」でオオサンショウウオの保護活動を行う高校生から説明を受けられ、熱心に見学し励ましの言葉をかけられました。さらに、岐阜市の「ぎふ木遊館」では子どもたちと岐阜県産の木材で作られたおもちゃで交流を楽しまれました。訪問先では温かい歓迎を受けられ、特に美濃焼のイヤリングが注目され、SNSなどで話題となりメーカーに問い合わせが相次いだとのことです。
ブラジル移民ゆかりの地、神戸を訪問
ブラジル訪問に先立つ4月28日、佳子さまは兵庫県神戸市にある「神戸市立海外移住と文化の交流センター」を訪問されました。ここでは一般財団法人日伯協会が運営する「移住ミュージアム」をご見学になりました。かつて神戸港からブラジルへの移民が盛んに行われていた1934年当時の神戸市の地図をご覧になりながら説明を受けられたり、神戸港に隣接するメリケンパークにある「移民船乗船記念碑」のレプリカを視察されたりしました。関係者によると、訪問日にはブラジル国花のイペーが満開で、佳子さまは大変喜ばれていたそうです。
佳子さま 日伯外交樹立130周年記念のブラジル公式訪問へ出発される姿、成田空港にて
また、同センターで活動する特定非営利活動法人「関西ブラジル人コミュニティ」の活動内容について説明を受け、そこで学ぶ子どもたちやブラジル在住の子どもたちが描いた作品をご覧になりました。カラフルなブラジルの風景の塗り絵などを鑑賞され、作品について説明を受けた後、関係者たちと懇談されました。日本に住むブラジル人が抱える課題や将来への取り組みについて熱心に耳を傾けられました。
ブラジル、歓迎に向け準備進む
今年の日本とブラジルの外交関係樹立130周年および「日本ブラジル友好交流年」という記念すべき年に、佳子さまがブラジルを公式訪問されることは、日系社会にとって大変光栄なことと受け止められています。ブラジルのサンパウロにある「ブラジル日本文化福祉協会」事務局の海老澤千佳さんからは、5月末時点で現地では佳子さまの歓迎に向けた準備が熱意をもって進められているとの報告がありました。6月はブラジルにおける「日本移民の日」を含む、日本移民を記念する月でもあります。移民の先駆者たちが皇室に抱いていた敬慕の念に思いを馳せながら、日系社会一丸となって佳子さまを心からお迎えする所存であるとのことです。
佳子さまのブラジル公式訪問は、長年にわたる両国の友好関係と、ブラジルにおける日系社会の歴史と現在に光を当てる重要な機会となるでしょう。これまでの国内での様々な活動は、そのための周到な準備と、両国の人々への深い関心を示すものと言えます。