上半期の映画界を代表するムーブメントとなっている映画『国宝』が異例のヒットを記録中だ。初週は通常のスタートながら、2週目には前週比143.4%増と大きく伸び、公開17日間で興収21億円を突破。伝統芸能の美と濃厚な人間ドラマの融合が、この成功の大きな要因となっている。
映画『国宝』:主人公の歌舞伎役者・喜久雄に扮する主演俳優・吉沢亮
歌舞伎の世界を舞台にした壮大な人間ドラマ
本作は、吉田修一氏原作、芸の道に人生を捧げた男の一代記『国宝』は、日本の伝統芸能・歌舞伎の世界が舞台。1960年代長崎、主人公・喜久雄(吉沢亮)が上方歌舞伎名門当主(渡辺謙)に引き取られ、この厳しい世界へ。
血筋と才能、葛藤の物語
そこで喜久雄は、名門御曹司・俊介(横浜流星)と出会う。出自も才能も対照的な二人は互いを好敵手とするが、やがて『血筋と才能』の葛藤に直面。壮絶な人生を歩む濃厚な人間ドラマが描かれる。
伝統芸能の美と圧倒的な芸術性
ヒット要因は、伝統芸能・歌舞伎の舞台裏や表を芸術性高く描いた点。映像作品として歌舞伎の美しさ、厳しさ、人々の息遣いをリアルに表現。楽屋や稽古風景など内幕も高解像度で映し出され、観客は伝統文化の奥深さを感じる。
俳優陣の熱演が光る濃厚な人間ドラマ
もう一つの要因は、登場人物の苦悩を掘り下げた人間ドラマとしての完成度。吉沢亮、渡辺謙、横浜流星らが歌舞伎に生きる人々の情熱や苦悩を鬼気迫る熱演で表現。跡取り争いや競争など舞台裏の現実も描かれ、観客は壮絶な人生に感情移入し感動する。
年代を超えて広がる共感
本作は、歌舞伎愛好家の年配層から圧倒的支持を集め、口コミが拡大。普段話題作しか観ない若い世代の関心も引きつけた。伝統文化と普遍的な人間ドラマの融合が世代を超えた共感を呼び、異例のヒットにつながった。
まとめ:芸術性と人間ドラマの高次元融合が成功の鍵
映画『国宝』は、歌舞伎の芸術性と濃厚な人間ドラマの高次元両立が、異例のヒットの最大要因。世代を超え観客を掴む本作は、2024年上半期を象徴する一作となった。
参考資料:
Yahoo!ニュース / 東洋経済オンライン