ダイエットのプロが警鐘「無意識に太る」意外な飲み物3選 液体の糖質に要注意

『医者が教えるダイエット 最強の教科書』の著者、生活習慣病専門医の牧田善二氏が、ダイエットの最大の敵として警鐘を鳴らすのが「液体の糖質」です。私たちが無意識のうちに口にしがちな、太る飲み物について詳しく解説します。食べ物とは異なり、液体は胃での消化を経ずに小腸から素早く吸収されるため、血中にブドウ糖が瞬時にあふれ出し、血糖値が急激に上昇する「血糖値スパイク」を引き起こします。これを抑えようとして大量に分泌されるインスリンが、ブドウ糖を脂肪に変えてしまうのです。ダイエット中に絶対に避けたい、習慣になりやすい「太る飲み物」を3つご紹介します。毎日の飲み物を見直すことは、ダイエットにおいて皆さんが考える以上に大きな効果をもたらす可能性があります。

(1)落とし穴だらけのコーヒー飲料

通勤途中や昼食後などに、つい手にしてしまうペットボトルや缶コーヒー。特にカフェラテやカフェオレといったミルク入りのものは、見た目以上に大量の糖質が含まれています。「微糖」と表示されている製品であっても油断は禁物です。たっぷりと砂糖が溶け込んでおり、中には角砂糖10個分以上の砂糖を含むコーヒー飲料も存在します。毎日の習慣として飲んでいる方は、知らず知らずのうちに過剰な糖質を摂取し、ダイエットを妨げている可能性があります。

(2)清涼感に隠された糖分爆弾:炭酸飲料・エナジードリンク

これからの暑い季節に、喉が渇いた際に頼りがちな炭酸飲料も、ダイエットには大敵です。例えば500mlのコーラには、驚くべきことに角砂糖14個分にあたる約57gもの砂糖が含まれています。これほど大量の砂糖が入っていると感じないのは、炭酸の爽快感や酸味料によって甘さが紛らわされているためです。

太る原因となる飲み物、特に清涼飲料水や甘いコーヒー飲料太る原因となる飲み物、特に清涼飲料水や甘いコーヒー飲料

また、仕事や勉強の集中力を高めようとエナジードリンクをよく飲む人も控えるべきです。これらのドリンクも同様に大量の砂糖が含まれています。疲れを吹き飛ばそうと思って飲む人も多いかもしれませんが、実は一時的な高揚感に続き、「より強い疲労感」と「甘いものへの依存」を引き起こしてしまう危険性があります。甘いものをとると瞬間的に元気になったように感じますが、それは肉体的な疲労が消えたわけではありません。急激な血糖値の上昇により脳が高揚感に包まれているだけで、脳が騙されている状態です。元気になるのは一瞬で、その後は血糖値の乱高下による激しい疲労感が襲い、さらに脳が再び甘いものを欲するという悪循環に陥り、慢性的な疲労に繋がってしまいます。

(3)運動後でも注意が必要なスポーツドリンク

運動後や暑い季節の水分補給として便利だと考えられがちなスポーツドリンクも、日常的に「ごくごく飲む」のは考えものです。糖分と塩分を同時に過剰摂取することになり、血糖値の急上昇を引き起こし、太りやすくなるだけでなく、長期的に見れば糖尿病リスクを高めてしまいます。プロのアスリートのように、激しい運動で大量の汗をかくような場合を除き、日常の水分補給にはミネラルウォーターで十分に事足ります。水をたくさん飲むことは、血液中のブドウ糖濃度を自然に薄め、食後の血糖値の上昇を穏やかにする効果も期待できます。

これらの「液体の糖質」を多く含む飲み物は、ダイエットを妨げるだけでなく、習慣化することで肥満、そして脳卒中、心臓病、がん、認知症といった様々な重篤な疾患のリスクを高めることが、専門家によって指摘されています。肥満と長寿は両立しないと言われます。健康的な生活を送るためにも、普段何気なく飲んでいる飲み物を見直し、水やお茶など、糖分の少ない飲み物を選ぶことが極めて重要です。

出典:Yahoo!ニュース掲載 ダイヤモンド・オンライン記事(牧田善二著書より)