【06月27日 KOREA WAVE】韓国で発生した「医大生交際殺人事件」で、被害女性の父親が記者会見の場で、自らの身体に娘の傷をマジックペンで再現し、深い哀しみと怒りを訴えた。その姿が多くの市民の涙を誘っている。
この事件は2023年5月、ソウル・江南駅近くの建物屋上で、医大生の被告が、交際中の女性を刃物で残虐に殺害したもの。2人は中学の同級生で、2023年2月から交際を始めたが、被害者の両親に無断で婚姻届を提出し、その後、留学を控えていた彼女との関係を解消するよう言われたことで激怒し、犯行に及んだ。
MBC番組「実話探査隊」によると、遺体には顔と首に計25か所の刺し傷が確認され、死後にも遺体が激しく損壊されたと報じられた。父親は「娘の顔を触ると穴だらけで、頭が揺れるほどだった。目も閉じられず、私が閉じようとしてもできなかった」と号泣した。
20日の記者会見で父親は地面に伏し、自分の首や顔にマジックペンで点や線を描き、娘の傷を再現。「犯人が死後の遺体をも傷つけたのは、異常な感情を表出させるための明白な死体損壊行為だ」と訴え、「この行為と準備期間を考慮すれば“通常の動機による殺人”との判断は誤りだ」と主張した。
ネット上では「父親の心情は誰にも測れない」「マジックで傷を再現するほどの無念さに胸が張り裂ける」「傷の位置をすべて覚えているとは……それだけ苦しんでいる証拠だ」といった共感と哀悼の声が続いた。
被告は1審で懲役26年、2審では懲役30年の判決を受けている。精神障害の影響を主張したが、精神鑑定ではサイコパスの基準には該当しないと判断された。事件の残虐性と裁判結果をめぐる社会的議論は今なお続いている。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News
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