7月3日公示の参議院選挙が迫る中、昨秋の衆院選に大きな影響を与えた自民党の裏金問題が再び注目されています。一部議員による政治資金収支報告書の不記載・過小記載は、国民の政治不信を高め、前回の衆院選では関与議員への厳しいペナルティが科され、多くの有名議員が落選しました。今回の参院選でも裏金議員の出馬が予定されており、国民が彼らをどう見ているのか、本誌は全国18~64歳の現役世代男女1000人を対象に、「当選してほしくない」議員に関するWEBアンケートを実施しました。その結果を報告します。
参院選を前に、政治家への国民の審判を表すイメージ
国民1000人アンケート調査:「当選してほしくない」裏金議員ランキング
本調査は、参院選で改選を迎える、または出馬予定の裏金問題に関与した議員の中から、「当選してほしくない」議員について、全国の18~64歳の現役世代の男女1000人を対象にWEBアンケートツール「Freeasy」を使用して実施されました。
第3位:高橋はるみ議員 (71)
第3位は、高橋はるみ議員(71歳)でした。2003年から4期16年にわたり北海道知事を務めた後、2019年の参院選で初当選し国政へ。裏金問題での不記載額は22万円と比較的小額でしたが、知事時代の評価や地元北海道民からの厳しい声が寄せられました。
回答者の声として、「知事時代、何もしていないから」(50代男性)、「地元だから」(30代女性)といった意見がありました。
第2位:杉田水脈氏 (58)
第2位は、杉田水脈氏(58歳)です。2012年の衆院選で初当選後、自民党から出馬。裏金問題では1564万円の不記載が発覚し、党から6カ月の役職停止処分を受けました。昨秋の衆院選不出馬を経て、今回の参院選比例代表での擁立が決定しています。杉田氏には裏金問題に加え、過去の数々の舌禍問題がつきまといます。特に、2016年のブログでの民族衣装に関する投稿や、2018年の雑誌でのLGBTカップルに関する「生産性がない」との記述は、大きな批判を浴び、後に謝罪・撤回されましたが、札幌・大阪の法務局から人権侵犯と認定されています。
アンケート回答者からは、こうした過激な発言を繰り返す姿勢への嫌悪感が多く聞かれました。「政治家は総合的に判断したいので、裏金問題だけで当選してほしくないというつもりはない。彼女の場合、他にも色々と問題発言もあって、今回は選ぶことにしてみた」(60代男性)。「数々の失言・暴言でウンザリする。よく立候補したなと呆れる」(60代男性)。「ほかにもひどい暴言もあり議員の資質がない」(40代女性)といった厳しい意見が見られました。
第1位:橋本聖子氏 (60)
そして第1位に選ばれてしまったのは、橋本聖子氏(60歳)です。女子スピードスケート選手としてアルベールビル冬季五輪で銅メダルを獲得するなど輝かしい成績を残し、1995年の参院選で初当選以降、国政で活躍。2021年の東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長も務めるなど、スポーツ界・政界双方に多大な影響力を持ちます。しかし、裏金問題での不記載額は2057万円と、今回の参院選出馬予定の裏金議員の中では断トツのトップでした。これにより党から1年の役職停止処分を受けましたが、2024年6月26日には日本オリンピック委員会(JOC)の新会長に女性として初めて選出されるなど、その影響力は健在です。
回答者からは、「スポーツマンシップ」のイメージとかけ離れた多額の不記載への不信感が多く寄せられました。「元アスリートとしてのスポーツマンシップという言葉からは言語道断」(50代男性)。「2000万を超える裏金、当選なんてありえない」(50代男性)。「あまりにも金額が大きい。もともと元アスリートのネームバリューで票稼ぎの比例代表だから」(50代女性)といった、金額の大きさと過去のイメージとの乖離に対する批判が見受けられました。
国民のジャッジはいかに
今回のアンケートでは、参院選に臨む裏金問題に関与した議員たちに対し、国民が厳しい目を向けている現状が明らかになりました。特に多額の不記載が判明した橋本聖子氏、過去の言動も批判の対象となった杉田水脈氏、そして高橋はるみ氏が、現役世代から「当選してほしくない」という声が多く集まった結果となりました。公示を迎え、果たして国民は今回の参院選で、裏金問題に関わる候補者たちに対し、どのような判断を下すのでしょうか。