読売新聞が皇統安定策に関する提言を発表し、議論が続く中、敬宮愛子さまが能登半島地震の被災地を視察するため、初めて石川県を訪問された。この訪問は、被災された方々に寄り添い、心を寄せる愛子さまの強い思いから実現したものである。
厳重な警備体制が敷かれる中、愛子さまが訪れる先々には大勢の人々が集まり、「愛子さまー！」という温かい声援が送られた。沿道の規制されたエリアでのお出迎えやお見送りでは、金属探知機による検査や手荷物の管理が行われたが、愛子さまの到着と共にその場の空気は一瞬で華やいだ。愛子さまは柔和な笑みを湛えながら、沿道の声に丁寧にお手ふりで応えられた。
愛子さまが能登の被災地を訪問され、沿道の歓迎に応えられる様子。厳重な警備の中、多くの人々が集まった。
機能的な服装に込められた被災地への思い
今回、愛子さまがお召しになった服装は、初日の七尾市訪問では淡いベージュのジャケットにグレーのパンツ、2日目の志賀町訪問ではチェックのジャケットに黒のパンツという装いだった。皇室担当記者によると、「2日連続で機能性の高いパンツルックをお召しになるのは初めてのこと」だという。これまでの公務では、訪問日数に応じて異なる印象の服装を選ばれることが多かった愛子さまが、今回はあえて機能性を重視された点に、被災地訪問への深いご覚悟が感じられると語る。
長年の願いが叶った初の単独地方公務
本来であれば、愛子さまは昨年9月末に石川県を訪れる予定だった。しかし、直前の同月21日に発生した奥能登豪雨の影響で、この訪問は取りやめとなっていた。関係者によると、今回の能登被災地視察は、愛子さまにとって初の単独での地方公務となるはずだったという。成年皇族として初めて臨まれた2022年の記者会見でも、愛子さまは被災地への思いを深く語られており、今回の石川県訪問は、長年の願いが叶った「悲願の初訪問」であったと言える。
被災者との温かい交流
訪問初日の18日、愛子さまは七尾市の仮設住宅「万行第二団地」を訪れ、集会所で行われていた高齢者向けの健康体操を見学された。この日の体操曲は「三百六十五歩のマーチ」と「パプリカ」だった。参加者の一人、奥原菊枝さん（78）は、「前日に亡くなった夫のお墓参りをして、愛子さまに会えるよと報告しました。本当なら一生会うことができない方。愛子さまは『健康でいてくださいね』と優しく話しかけてくださいました」と、感極まった様子で語った。
同じく体操に参加し、最前列に座っていた閨谷礼子さん（74）も、視察をこう振り返る。「テレビで見るよりずっと素敵な方でした。膝をついて、じっと目を見て話してくださって。感激で胸がいっぱいになり、話しているうちにウルウルしてしまいました」と、愛子さまの真摯で温かいお人柄に触れ、涙ぐむ場面もあったことを明かした。
結び
今回の愛子さまの能登被災地訪問は、被災された方々への深い哀悼の意と、復興への願いを伝える重要な機会となった。機能性を重視した服装選びや、被災者一人ひとりに寄り添う温かい交流は、成年皇族としての愛子さまのご覚悟とお人柄を示すものであり、多くの人々に感動を与えた。
