静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)に持ち上がっている学歴詐称疑惑が、現在の市政運営に混乱をもたらしています。発端は、6月初旬に市議会に届けられた匿名の文書でした。
怪文書が告発した疑惑
市議会議員全員宛てに送られたというその文書には、《東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している》と記されていました。この告発が注目された背景には、田久保氏が5月29日に市長就任後、市の広報紙などで「平成4年東洋大学法学部卒業」と紹介されていた事実があります。
6月25日の議会で、市議から学歴詐称について追及を受けた田久保氏は、「弁護士に任せている」と事実関係への言及を避けつつ、文書を「怪文書」と断定し、法的措置を示唆しました。そして、7月2日には弁護士同席のもと、卒業を証明できるものを持参して記者会見を行うことを表明しました。
記者会見での「除籍」告白
そして迎えた7月2日の記者会見で、田久保氏は衝撃的な事実を報告しました。先に母校である東洋大学を訪れて確認した結果、自身が信じて疑わなかった「東洋大学卒」という経歴が、「除籍」となっていたことが判明したというのです。卒業証書は取得できなかったと説明しました。
田久保真紀 伊東市長 記者会見 弁護士同席 学歴疑惑釈明
会見に先立つ報道では、田久保氏が市議会の中島弘道議長らに対し、「卒業証書だとする文書」を見せていたとも伝えられていました。中島議長は取材に対し、見せられたのは一瞬で、詳細を確認できなかったと述べています。会見では、この「卒業証書として見せたもの」が何だったのかという質問も複数出ました。田久保氏はこれに対し、「卒業を証明するものであろうと思ってお見せしたんですが、残念ながら、卒業を証明するものとしては機能しなくなったというか……」と回答しました。文書の「偽造」疑惑については徹底的に否定しています。
「勘違い」と「怪文書」主張の波紋
では、何を根拠に「東洋大学卒」と自認していたのかという問いには、田久保氏は「非常に恥ずかしい言い方になりますけど、勘違いをしていたんだろうと言われると、それは全く否定できない」と答えました。
結果として、「除籍」という告発内容が事実であったにもかかわらず、田久保氏は最後までこの文書を「怪文書」であると主張し、「怪文書が許され、飛び交うような社会はあってはならない」と訴えました。除籍となった詳細な経緯については、現在確認中だとしています。
この田久保氏の一連の対応、特に真実が含まれていた告発文書を「怪文書」と呼び続けたことに対し、SNS上では批判的な声が多く上がっています。
「怪文書が届けられたって言ってるけど、事実だったんだし、市長の言い逃れの方がよっぽど怪しい」
「告発文のこといまだに怪文書とか言ってるし もう救いようがない」
「怪文書呼ばわりしてたけど卒業していないのだから正しくは告発書」
「根も葉もないデマを本当の様に書かれたなら怪文書だけど。大学を卒業してないって事実を書かれたのなら単なるスクープやろ」
といったコメントが見られます。
田久保氏は、選挙中に自ら「東洋大学卒」と公表していないため、経歴詐称には当たらず、公職選挙法上は問題ないとの認識を示しており、市議会が設置する方針の百条委員会にも否定的です。
まとめ:揺れる市政と市民の視線
伊東市の田久保市長を巡る学歴問題は、匿名の告発文書をきっかけに「除籍」という事実が判明する展開となりました。市長はこれを自身の「勘違い」とし、告発文書を「怪文書」と呼び続けていますが、市民や市議会からは説明責任を求める声や不信感が募っています。市政の混乱が続く中、市民は今回の事態をどのように受け止めているのでしょうか。今後の議会の動向や、市長のさらなる説明が待たれます。
出典: https://news.yahoo.co.jp/articles/ce4f37e3c87cb329fdc0f9c17ca4bed40a889b2b