朝ドラ「あんぱん」第88話、小田井涼平が堂々初出演!やなせたかしと「三越」包装紙の秘話に反響

NHK連続テレビ小説「あんぱん」の第88話が30日に放送され、元「純烈」のメンバーであり俳優の小田井涼平(54)が朝ドラ初出演を果たし、その存在感で大きな注目を集めました。今田美桜(28)がヒロインを務める本作は、国民的アニメ「アンパンマン」の生みの親である漫画家やなせたかし氏とその妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦の物語を描いています。

「あんぱん」第88話のあらすじと主要キャストの躍動

脚本は「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなど数々のヒット作を手掛けてきた中園ミホ氏によるオリジナル。朝ドラ通算112作目となる「あんぱん」では、戦争の爪痕が残る時代背景の中、主人公たちの奮闘が描かれます。

第88話では、柳井嵩(北村匠海)が貯金を目標に引っ越しを計画し、三星百貨店宣伝部に就職する場面から始まります。一方、若松のぶ(今田美桜)は、児童福祉法の整備が進む中で、支援から取りこぼされている人々がいないかと思案を巡らせていました。そんな折、嵩は職場の紹介を通じて中目黒の長屋の一室を借りられることになり、新たな生活をスタートさせます。

嵩は宣伝部でその才能を開花させ、多忙ながらも充実した日々を送るようになります。物語は、三星百貨店が包装紙を新調するにあたり、当時洋画界のスターであった猪俣昇一郎にデザインを依頼するという重要な展開を迎えます。

小田井涼平、朝ドラ初出演で存在感を示す「出川部長」

本作で小田井涼平が演じるのは、三星百貨店宣伝部の出川部長。彼は、新調する包装紙のデザイン原画を洋画家の自宅まで取りに行くよう、嵩に指示します。

嵩が持ち帰ったのは、白い紙の上に赤い紙が貼られただけのシンプルな原画でした。これを見た出川部長は拍子抜けしますが、嵩は画家から「『ミツボシ』という字は自分で書くように、場所も指定されている」と言われたと説明し、「僕はこのシンプルさが新鮮でいいなと思いました」と続けます。出川部長の指示のもと、嵩は「mitsuboshi」という文字を筆記体で書き入れ、新しい包装紙が完成しました。

小田井は自身のSNSで、「嵩くんの仕事っぷり、めちゃ優秀でした」と北村匠海演じる柳井嵩を称賛するコメントを投稿し、視聴者の間で反響を呼びました。

NHK連続テレビ小説「あんぱん」第88話で出川部長役を演じる小田井涼平(左)と柳井嵩役の北村匠海NHK連続テレビ小説「あんぱん」第88話で出川部長役を演じる小田井涼平(左)と柳井嵩役の北村匠海

「三越」包装紙に秘められた「あんぱん」作者の足跡

この包装紙に関するエピソードは、放送後すぐにSNS上で大きな話題となりました。視聴者からは「おお、有名なエピソードだ!」「高知で無茶振りばかりされて仕事が早くなった嵩くん」「まさか三越の包装紙にアンパンマンが絡んでいたとは!全然知らなかった」「上司役が小田井涼平さんだったことに驚き」「三越で買い物をしたくなった」といった声が多数寄せられました。

この物語の背景には、実際にやなせたかし氏が関わった歴史的な事実があります。史実によれば、やなせ氏は1947年(昭和22年)に上京後、三越百貨店に入社し、宣伝部でその才能を発揮しました。そして1950年(昭和25年)、洋画家の猪熊弦一郎が三越の新しい包装紙「華ひらく」をデザインした際、やなせ氏が自ら「mitsukoshi」という筆記体を書き入れたのです。これは日本の百貨店において初のオリジナル包装紙であり、その誕生には「アンパンマン」の作者であるやなせ氏の功績が秘められていたのです。

まとめ

「あんぱん」第88話は、小田井涼平の朝ドラ初出演という注目ポイントに加え、主人公・柳井嵩の成長と、その裏に隠されたやなせたかし氏の知られざる歴史的エピソードが明かされることで、視聴者に深い感動と驚きを与えました。単なるドラマに留まらず、日本文化史の一端を垣間見せる「あんぱん」は、今後もその展開から目が離せません。

参考文献: