参院選(20日投開票)を前に、与野党8党首が6日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に生出演し、各党の主要政策を訴えた。最初のテーマとして「外国人の不動産購入」に関する規制の是非や課題が取り上げられ、各党が主張を展開する中、れいわ新選組の大石晃子共同代表が、司会者の指名順について強い不満を表明する場面があった。
外国人による不動産規制が「必要」と主張する自民党、公明党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組など7党に対し、キャスターを務めるフジテレビ解説委員の松山俊行氏は、最初に参政党の神谷宗幣代表を指名した。松山氏は「まず、外国人に非常に厳しい立場を主張される神谷代表から」と発言を求めた。
その後、共産党の田村智子委員長、自民党総裁の石破茂首相、国民民主党の玉木雄一郎代表、立憲民主党の野田佳彦代表、日本維新の会の吉村洋文代表、公明党の斉藤鉄夫代表と続き、れいわ新選組の大石晃子共同代表は最後に指名を受けた。
日曜報道THE PRIME党首討論に出演した、れいわ新選組の大石晃子共同代表
自身の見解を述べる前に、大石氏は「まず最初に言わせてもらっていいですか」と切り出し、指名順への疑問を呈した。「外国人の不動産規制に賛成の人は手を挙げて、という話で、私は1番目に手を挙げたのに、最後に当たって。(中略)こういう番組づくりの中で、しっかり外国人の悪口を言うてもらおう、みたいな番組作りをしているんじゃないかなと感じました」と述べ、番組側の構成意図に不満を露わにした。
この大石氏の発言に対し、松山氏は即座に「そういう意図はないです」と反論。他の党首からも、「(外国人への)悪口ではない」「それは失礼ですよ」といった異論が相次いだ。
また、元大阪府職員である大石氏は、物価高対策を巡る議論で、現大阪府知事である吉村洋文氏(日本維新の会共同代表)の主張に対しても「ちょっと言わせてもらっていいですか?」と述べ、大阪府の対策に関する持論を主張する場面も見られた。
番組の最終盤、参院選後の政権の枠組みがテーマとなった際には、大石氏は挙手したものの指名されず、キャスターの梅津弥英子アナウンサーが「あと10秒ほどです。すみません。お時間になってしまいました」とコーナーを締めくくった。不満げな表情を浮かべた大石氏に、梅津アナウンサーが改めて「すみません。時間切れとなってしまいました、申し訳ございません」と語りかける様子も放送された。
今回の「日曜報道 THE PRIME」での党首討論は、各党の政策論争に加え、テレビ討論という限られた時間の中での番組進行や、出演者の対応が注目される展開となった。特に大石晃子氏が発言順に対して異議を唱えた場面は、テレビメディアにおける政治報道の構成・演出、そして各党がいかに自らの主張を効果的に伝えようとするかという、討論会の裏側にある課題を浮き彫りにしたと言えるだろう。