全国各地の百貨店イベントで連日大盛況を見せる焼き菓子「スコーン」。かつてないほどの人気沸騰ぶりを見せていますが、このスコーン人気は一体なぜなのでしょうか。その理由を探ります。
東京駅で行列、サンドスコーン専門店
都内でも特に多くの人が行き交う東京駅構内にあるスコーン専門店「BAKERS gonna BAKE 東京ギフトパレット」では、連日長い行列ができています。ここでは国産小麦を使ったスコーンを常時10種類以上提供しており、季節限定品も並びます。
特に人気を集めているのが「あんバタースコーンサンド」(500円)です。北海道産大納言あんこの上に分厚いフランス産発酵バターを乗せ、スコーンでサンドしたタワーのような一品です。
お店の藤倉美優店長は、スコーン人気の背景には「ヌン活(アフタヌーンティー活動)ブームが大きい」と分析しています。アフタヌーンティーに欠かせない存在であるスコーンへの注目度が高まっていると言います。実際に「ミルクティーと合わせて食べるのが好き」という50代の女性は、家族のために一度に27個も購入したそうです。
BAKERS gonna BAKEで人気のあんバタースコーンサンド。分厚いバターとあんこが特徴。
THE TIME,マーケティング部の新名真愛部員は、このあんバタースコーンサンドについて「バターのコクが口いっぱいに広がる。あんこの粒感をしっかり感じられるので食べ応えもあります」とコメントしています。
御茶ノ水の英国菓子店、王道スコーンのこだわり
東京・御茶ノ水にある英国菓子店「Lazy Daisy Bakery」も、行列の絶えない人気店です。キャロットケーキなど本格的な英国菓子を約15種類扱う中で、一番人気なのが王道の「イングリッシュスコーン」です。
生地には九州産の小麦粉を使用し、その日の気温や湿度に合わせて水分量を細かく調整しています。生地を寝かせずに一気に焼き上げることで、「外はカリカリ、中はふんわり」とした独特の食感を生み出しています。
新名部員は、Lazy Daisy Bakeryのプレーンスコーン(400円)を試食し、「シンプルな味わいだからこそ、バターのコクをより感じることができておいしい」と評価しています。
プレーンスコーンが定番ですが、昨今の人気を受けて月に一度程度、4種類のスコーンを販売するイベントも開催しています。「アプリコット&アーモンドスコーン」(490円)など普段は味わえない特別なラインナップが楽しめるとあって、こちらも注目を集めています。
スコーン人気の背景にあるもの
百貨店イベントから専門店まで、スコーン人気は広がりを見せています。こだわりの素材を使った多様な「サンド系」や、伝統的な製法を守る「王道系」など、その種類も豊富です。背景には「ヌン活」などのトレンドや、高品質な材料へのこだわりがあると言えるでしょう。スコーンは今、単なる焼き菓子ではなく、多様な楽しみ方ができる注目のアイテムとなっています。
出典: TBS NEWS DIG Powered by JNN