紅海で任務にあたっていたドイツ軍機に対し、中国軍艦がレーザーを照射したとのドイツ政府の非難について、中国政府は9日、「まったく事実と一致しない」と強く反論しました。この中国 ドイツ レーザー 紅海に関する問題は、国際的な注目を集めています。
ドイツ側の主張:紅海での脅威
ドイツ外務省は8日、EUが主導する「紅海での海上交通保護」任務に参加していたドイツ軍の偵察機が、中国艦船からレーザー照射を受け、搭乗員の安全が脅かされたと発表しました。これは、国際的な安全保障に関わる重要な問題提起でした。
中国の反論:事実無根と意思疎通の重要性
これに対し、中国外務省の毛寧報道官は、ドイツ側の主張を完全に否定しました。「双方が実務的な姿勢で適時に意思疎通を強化し、誤解や誤算を避けるべきだ」と述べ、冷静な対応を促しました。
中国外務省の毛寧(マオ・ニン)報道官が記者会見で発言している様子。紅海でのレーザー照射問題に関する中国の立場を説明。
毛報道官はまた、中国海軍の艦船がアデン湾やソマリア海域で護衛任務に当たっており、国際的な航路の安全確保に貢献していることを強調しました。
過去の類似事案と詳細
独紙ビルトの報道によると、今回の照射事案はイエメン沖で今月2日に発生したとされています。使用されたレーザーは、航空機の作戦を妨害するための「目くらまし」を目的としたものだったと報じられています。中国によるレーザーの使用をめぐっては、過去にも問題視されたことがあります。2023年2月には南シナ海でフィリピンの巡視船に軍用級のレーザーを照射したとされる事案や、2022年にはオーストラリアの監視機に照射し「威嚇行為だ」と非難された事案などがあります。
記事のまとめ
紅海でのレーザー照射疑惑に対し、ドイツは危険な行為だと非難していますが、中国は事実無根であると強く反論しています。国際的な海上での偶発的な衝突を防ぐため、関係国間の緊密な意思疎通が改めて重要となっています。