ランボルギーニ不正車検で有名経営者逮捕 「諸星一家」リーダーを巡る騒音と違法行為

違法に改造されたランボルギーニの不正車検を巡り、日本の警察当局は重要な逮捕に踏み切った。逮捕されたのは、東京都板橋区の会社役員、山本伸一容疑者(55歳)と、千葉県松戸市の自動車修理・販売会社「松戸市モータースセンター」社長、成田国造容疑者(80歳)を含む計6名。彼らは道路運送車両法違反の疑いが持たれている。この事件は、高級車の違法改造とそれを黙認する不正な検査ルートの存在を浮き彫りにし、社会的な関心を集めている。

捜査関係者によると、山本容疑者らは昨年10月、排気音を増大させるマフラーや、車体から突出した形状のリアウイングなど、保安基準に適合しない改造が施された自身のランボルギーニについて、知人の修理業者を介して成田容疑者の会社に車検を通すよう依頼したとされる。その際、30万円が支払われた。依頼を受けた成田容疑者は、必要な点検や整備を全く行わず、虚偽の保安基準適合証を作成。これを自動車検査登録事務所に提出することで、正規の車検証を不正に取得した疑いが持たれている。

警察の取り調べに対し、成田容疑者は「これまでに数百台の不正車検を行った」と供述し、容疑を認めている。一方、山本容疑者も「正規の車検には通らないと分かっていたので、不正なルートを利用した」と供述しており、両者とも不正行為への関与を認めている状況だ。

逮捕された山本容疑者は、自動車愛好家の間では「諸星伸一」という名前で知られる有名人だった。彼が率いる「世界最強諸星一家」というスーパーカー愛好家グループには200人以上が所属し、SNSのフォロワーは10万人を超える。特に、世界に100台しかない希少な緑色のランボルギーニを所有していることで知られていた。山本容疑者はカスタムショップなど複数の会社を経営しており、この他にも10台近いランボルギーニを所有しているとされる。

緑色のランボルギーニを背景に立つ諸星伸一(山本伸一)容疑者のSNS投稿写真、不正車検で逮捕されたスーパーカー愛好家のリーダー緑色のランボルギーニを背景に立つ諸星伸一(山本伸一)容疑者のSNS投稿写真、不正車検で逮捕されたスーパーカー愛好家のリーダー

また、彼の所有するランボルギーニは、2023年に放送された人気ドラマ『トリリオンゲーム』(TBS系)の撮影に使用されたこともあり、主演を務めたSnow Manの目黒蓮との写真も自身のSNSに公開していた。

山本容疑者が率いる「世界最強諸星一家」は、東京都内の公道で頻繁に集団走行を行っており、その際に発生する大きな騒音に対して、警視庁には多数の苦情が寄せられていたという。山本容疑者の知人によると、彼がランボルギーニに傾倒するようになったのは、1970年代後半のスーパーカーブームがきっかけだった。当時小学生だった山本容疑者はスーパーカーに魅了され、実車を見て以来、貯金を続け、32歳で念願のランボルギーニを現金で購入したという。その後、約10年前に「世界最強諸星一家」を結成。建設業法違反で有罪判決を受けた清水謙行元被告や投資家の与沢翼氏なども、彼のオーナー仲間であり、仲間内では「ランボルギーニ界のレジェンド」と呼ばれていたという。

幼い頃からの夢を実現し、多くのスーパーカーを所有するまでに至った山本容疑者だったが、今回の不正車検と違法行為によって、彼自身だけでなく、ランボルギーニやスーパーカー愛好家全体のイメージにも傷をつける結果となった。「恥ずかしいレジェンド」と評されるほかない、残念な結末である。

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