[ベルリン 11日 ロイター] – ロシアがウクライナ攻撃で使用している長距離ミサイルを増産する見通しであることを踏まえると、北大西洋条約機構(NATO)の長距離ミサイル増強が必要になっている──。ドイツの米軍基地駐在の米陸軍幹部がロイターのインタビューで述べた。
ロシアによるウクライナに対する長距離ミサイルの使用により、NATOはミサイルの重要性への認識を深めている。その中で、専門家がNATOの長距離ミサイル能力の約9割は米国が提供していると推定するなど、欧州が長距離ミサイルの供給を米国に大きく依存していることも浮き彫りになっている。
ドイツにある米軍基地で司令官を務めたジョン・ラファティ氏はインタビューで「ロシアは長距離ロケットやミサイル、高度な防空システムへの投資を続けるだろう。同盟国の能力強化が極めて重要だ」と述べた。バイデン前米政権下でのドイツとの合意に基づき、基地では2026年から欧州において米国の長距離ミサイルを一時的に配備する準備を進めている。
ドイツのピストリウス国防相は、14日に予定されるヘグセス米国防長官との会談で、トランプ政権下でも配備計画に変更がないかどうか確認したい意向とみられる。合意に基づき、長射程ミサイル「トマホーク」や開発中の極超音速ミサイルなどの配備が見込まれている。