2024年7月11日に放送されたTBS系のテレビ番組『それSnow Manにやらせて下さい』(通称:それスノ)において、STARTO ENTERTAINMENT(STARTO)所属タレントの写真表示に関する「不可解な線引き」が視聴者の間で大きな話題を呼んでいる。日本のエンターテインメント業界におけるタレントの肖像権管理や企業姿勢は、近年特に社会的関心が高まっているテーマの一つであり、今回の事例はそうした背景とも関連付けられ得る事象として注目される。
番組には、今年28万人以上を動員したSnow Man初のスタジアムライブで演出・監修を手がけた嵐の松本潤がゲストとして登場した。この日の企画は、松本潤とSnow Manが互いに本音を語り合うというスペシャルな内容だった。その中で、「STARTOの所属タレントの中で、松本さんがデュエット曲を一緒に出すなら誰と組みたいか?」という質問が飛び出した。
元所属事務所に28年間在籍し、事務所の先輩・後輩を深く知る松本は、「超ムズい。ツーショットで一番面白いの誰なんだろう?」と考え込んだ。その間、Snow Manのメンバーがそれぞれ予想の名前を挙げていく流れとなった。
King & Princeの髙橋海人が番組宣伝撮影に臨む様子
King & Princeの髙橋海人が番組宣伝撮影に臨む様子
番組内で写真が表示されなかったタレントたち
Snow ManのメンバーがSTARTO所属タレントの名前を挙げる際、一部のタレントでは宣材写真が画面に表示された一方で、表示されなかったタレントがいたことが視聴者の困惑を招いた。
例えば、宮舘涼太が元V6の坂本昌行、向井康二がSUPER EIGHTの大倉忠義の名前を挙げた際には、それぞれの宣材写真が表示された。さらに、Snow ManのメンバーからKinKi Kidsの堂本光一や元A.B.C-Zの河合郁人、A.B.C-Zの塚田僚一といった名前が挙がった際も、すべて写真付きで紹介された。松本潤自身が最後に挙げたHey! Say! JUMPの山田涼介についても、しっかりと顔写真が表示されている。
しかし、目黒蓮がtimeleszの原嘉孝、続く佐久間大介がKing & Princeの髙橋海人の名前を挙げた際には、なぜか顔写真は映らず、名前だけがテロップで表示されるにとどまった。さらに、松本潤が「STARTO所属タレントのなかで王道アイドルだと思う人は?」と聞かれてtimeleszの佐藤勝利の名前を挙げた際も、同様に写真が出ず、テロップのみの表示だったという。
この状況に対し、SNS上(特にX)では疑問の声が多数寄せられた。「原と海人とか写真出ないの何?」「同じ事務所なのに写真使えない人いるのなんで…?」「写真出せる出せないの基準何だ!?」など、同じSTARTO所属であるにもかかわらず、特定のタレントの写真だけが掲載されないという事態に、多くのファンが困惑した様子がうかがえた。
浮上する写真使用ルールの不明確さ
同じ事務所に所属するタレント間での写真使用に関するこうした差異について、芸能プロ関係者からも疑問の声が上がっているという。
ある芸能プロ関係者は、King & Princeの髙橋海人については、昨年4月にメンバーの永瀬廉と「King & Prince株式会社」を設立し、STARTOとはエージェント契約を結んでいることを指摘する。そのため、肖像使用に関して本人側から制限があったか、あるいは許諾を得るプロセスが複雑だったために、番組側が表示を見送った可能性は考えられるという見解を示している。
しかし、原嘉孝の場合はSTARTOと本契約を交わしているはずであり、写真が表示されなかった明確な理由が見当たらないとされる。また、timeleszの佐藤勝利についても同様に、写真が表示されなかった事情は不明瞭なままだ。
今回の「それスノ」での出来事は、盛り上がった番組トークの裏で、STARTO ENTERTAINMENTにおけるタレントの肖像写真使用に関するルールがいまだ不明瞭であり、一貫性を欠いているのではないかという疑問を投げかける形となった。日本のエンターテインメント産業が変革期を迎える中で、企業として所属タレントの管理や肖像権に関する明確な基準を社会に示すことの重要性が改めて浮き彫りになった事案と言えるだろう。