フジテレビ「ぽかぽか」、低視聴率とオンラインカジノ問題で秋にも終了観測

フジテレビ系列で平日昼間に放送されているバラエティー番組「ぽかぽか」について、この秋にも番組が終了する可能性が局内で取り沙汰されている。この観測の背景には、番組開始以来低迷が続く視聴率に加え、制作に携わる複数の局員によるオンラインカジノを巡る不祥事が相次いで発覚したことがある。

オンラインカジノ関与の制作統括逮捕・処分

番組の行く末が不透明になった最大の要因の一つは、制作統括を務めていた鈴木善貴被告の一連の行動だ。鈴木被告は、オンラインカジノで常習的に賭博を行っていたとして、先月(執筆時点の前月)に逮捕され、今月(執筆時点の当月)11日に賭博罪で起訴された。これを受け、フジテレビはすでに今月2日付で彼を懲戒解雇処分としている。

山本元アナウンサーの関与と異動

さらに、「ぽかぽか」に出演していた山本賢太元アナウンサーも、同様にオンラインカジノを利用していたことが明らかになった。東京区検は今月11日、山本元アナを単純賭博罪で東京簡裁に略式起訴した。山本元アナは今月10日付でアナウンス室を離れ、コーポレート本部経営企画局企画連携推進部への異動となっている。

相次ぐ不祥事、局内で重く受け止められる

制作統括という番組の中枢を担う立場と、出演者という異なる立場の2名の局員から、オンラインカジノへの関与が相次いで発覚した事態は、フジテレビ社内で極めて重く受け止められている。ある制作会社関係者は、相次ぐ不祥事により「いろいろなメディアで『ぽかぽか』の名前がネガティブな形で出てしまった」と指摘する。この状況から、「この秋にも番組は終了するのではないかと言われています」と、具体的な番組終了時期に言及する声も出ている。

番組開始からの経緯と低視聴率

「ぽかぽか」は2023年1月に放送を開始した番組だ。その立ち上げには、当時の港浩一前社長が制作統括の鈴木氏に直接「お前に1月から昼の番組を命じる」と告げたという経緯が、一部メディアのインタビューで明かされている。ある局内関係者によると、番組は他局が展開する同時間帯の情報番組とは異なり、見逃し配信での視聴も想定したバラエティー番組として企画され、港前社長の「肝いり番組」だったという。

しかし、番組開始以来、「ぽかぽか」の平均世帯視聴率は1~2%台と低迷が続いている。加えて、番組を強く推進した港前社長自身も、一連の問題を受けてすでに会社を去っている。

フジテレビ「ぽかぽか」のMCを務めるハライチ。番組は低視聴率と不祥事の影響を受けているフジテレビ「ぽかぽか」のMCを務めるハライチ。番組は低視聴率と不祥事の影響を受けている

前社長退任と今後の体制

低視聴率という課題に加え、番組の立ち上げに関わった前社長が退任し、その上でのオンラインカジノを巡る局員たちの不祥事の発覚は、フジテレビにとって番組編成の見直しを迫る大きな要因となっている。前出の制作会社関係者は、「数字(視聴率)も悪く、港さんもいなくなった上に、オンラインカジノ問題です。もはや体制を一新し、コンプライアンスに厳しいという姿勢を内外に見せる必要がある」と述べている。こうした状況から、フジテレビとしては新たな昼の帯番組を立ち上げることで、現在の番組にまつわる負のイメージを払拭したい意向があるものと推測される。

まとめ

フジテレビの昼の帯番組「ぽかぽか」は、番組開始からの低視聴率という構造的な問題に加え、制作統括や出演経験のある局員によるオンラインカジノ関与という予期せぬ不祥事に直面している。これらの複合的な要因が重なり、番組の継続が困難な状況となり、今秋での終了観測が強まっている。フジテレビが今後、昼の番組枠をどのように立て直し、失われた信頼の回復を目指すのか、その動向が注目される。

出典: 東スポWEB